お正月の室礼2018

今日明日にも初出勤という方も多いのでしょうか。まだまだ松の内ということで、今日は最後のお正月ネタです。

うちは洋風でこれといった特徴もない建物ですから、新春のはんなりとした華やかな雰囲気を少しでも感じられるように、何とか工夫して設えています。

お客様が来られることもありますが、どちらかというと私自身がお正月の雰囲気を味わいたくてやっているという感じ。自分を誤魔化すことは出来ないので、どれだけ慌ただしくとも、やらないと気が済みません。

まずは師走事始めの13日頃に松や柳を用意し、餅花作りから始めます。多少場所を取りますが、昨年も飾ってとても気に入ったので、もうこれは余程のことがない限り外せない室礼となりました。日に2時間くらいしか時間がとれず、準備やらなんやら3日かけてゆっくりと柳に花を咲かせました。

本来は豊作を願う農家の正月飾りだそうですが、ディアガーデンでは招福の祈りとして作ります。白と淡い紅の餅を小さくちぎり、柳の枝に附けていきます。とても可愛らしくて大好きな飾りものです。
餅花は、玄関の坪庭が見える窓に飾りました。

庭に竹垣や蹲踞の筧などの竹細工があるお宅なら、時々は新春に間に合うように青竹に替えられると、清新な雰囲気が漂い、それはそれは気持ちの良いものです。イマドキは長持ちする樹脂性の製品が多く、そちらを選ばれる方もいらっしゃいます。でも、朽ちていく本物の竹は、新しく出来るキッカケがあるところがいいと思います。わずかな金額で、庭がまた素晴らしく新しく見えるものです。これは樹脂性の竹では味わえません。

こういった真冬に青いもの、生き生きしているお花などを取り込むことは、新春の喜びを表すものとしてなくてはならないものです。庭を一回りして集めてきた侘助椿や千両、ヤブコウジ、南天などは、虫食いの葉っぱもろとも綺麗に洗って使います。整えてみれば、ほんのり野趣は残しつつも清ました顔つきになります。

私はメインの目立つお花だけ、年越しの買い物ついでにお花屋さんで買い求めます。今年は最近お気に入りの「Odetto」さんで仕入れてまいりました。大輪の菊と珍しい色のランは、本当に艶やかでお正月向きだと思いました。どこか人工的な雰囲気も感じられますが、いつものように庭の花を寄せれば、ディアガーデン風アレンジの出来上がり。ボリュームが出ますしね。

玄関のお花は餅花に合わせて淡いピンクの菊と椿をメインに生けました。
ダイニングのお花は、朱塗りのお重に合うオレンジ系でまとめてみました。とっても華やぎます。

門先について。

大きめの門構えのお宅や会社の玄関先なら、門松を飾ると映えます。これは造園の仕事でもあるので、頼んでいただければお届けします。関西でも根引きの松を飾ったりもします。ディアガーデンのこじんまりとした事務所には、門松は立派過ぎて残念ながら不釣り合い。依り代として松を使うことは外せませんが、花あしらいの方が私らしいかと思い、最近は大振りな壺に生け込んでいます。

松が入ると途端にお正月らしく見えるから不思議よね。

事務所の前に置いた花飾り。口が大きくて、挿しても挿しても安定しない信楽焼きの壺。今年は雑誌ミセスに掲載されていた流木を花留めに使うアイデアを拝借して生けてみました。ちょっと流木が目立ちすぎたかしら。
事務所の本棚の飾りスペースには、縁起のいい小槌を飾ってみました。仕事たくさん出してください(^人^)

餅花以外は、どれも部屋の片隅にちんまりと居る感じで、少し物足りないような気もしますが、まぁこの辺りがほどほどかなぁと。ゆったりと空白がある方が心地よいのかもしれません。

今年も色々なお室礼を見せていただき、勉強を重ね、庭を生かすディアガーデンらしいお室礼を作っていけたら。またそれをお伝え出来ればと思います。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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