我が家恒例の夏旅、今年は瀬戸内をぐるり周遊のドライブ旅です。
電車通勤のため、運転する機会がほとんどない夫。自分が好きで選んだ車なのに、9割近く私が乗り回しているのが現状です。
そんな夫の希望で、今回はドライブを満喫する旅。海岸沿いを走ったり、色々な大橋を渡る気分爽快なルートです。温泉や食事、名所も堪能、建築/庭探訪もして、いつもの私達らしい旅になりました。
往路は、愛媛県の道後温泉を目指して、あちこち寄り道して食べ歩きながら、のんびりドライブ。
力強い青の夏空の下、海が本当に綺麗でした。大鳴門大橋の下ではいつでも渦潮が見えるかと思いきや、そうではないようですね。知りませんでした。
さて、今日のブログは建築がテーマ。
まずは道後温泉の街を散策して、印象的だった建築をいくつかご紹介します。
道後温泉の街はこぢんまりとまとまって可愛らしい街。
近くの商店街は、小洒落たお店が多く、楽しくお買い物ができました。愛媛といえば「蛇口からみかんジュース」ですよね?噂通りのスタイルで売っていたのが面白かったです。みかんジュースはすごく濃厚で美味でした。
お宿は日本を代表する建築家の一人、黒川紀章氏(1934〜2007)設計の道後舘。昭和64年平成元年竣工とあり、まさに昭和の円熟期に構想された建築です。
外観は、一見、軍艦のようで堂々とした雰囲気。内装は強めの和モダンで統一されています。令和の和モダンの柔らかさを見慣れていると、この頃の和モダンってこんなに強めだったっけ?と思います。
黒川建築といえば、私の中で真っ先に浮かぶのは国立新美術館。10年前に訪ねたことがあります。ガラスのウェーブが印象的な近未来的建築でしたが、同時に普遍的なものも感じて、興奮したのを覚えています。
そんな黒川建築が道後温泉にあっただなんて。夫は知らないで予約してくれたみたいですが、またひとつ建築探訪が出来て良かったです。
お部屋は昨年リニューアルされたばかりの最上階ツイン。「巨匠のデザインを散りばめた和モダンルーム」だそうで、ゆったりとした空間、ベットはエアウェーブで、とても寛げました。
道後舘の館内はお香が焚かれ、あちこちに新鮮な生花が贅沢に活けられています。お部屋の床の間も一輪挿しではなくて、盛り花でした。こういう細やかな演出、昔ながらのお宿の雰囲気って本当に素敵です。
温泉は露天以外にも色々な湯が楽しめ、お料理も絶品でした。
次は、やはり私的には外せない隈研吾氏の建築。愛媛にもありました。
(というか、隈さんあちこちで仕事しすぎ 笑)
2つあるうちのひとつ「亀老山展望台公園 パノラマ展望台ブリッジ」です。大島の山頂に埋め込まれたかのような、建築の存在感を消した展望台です。
細く狭い廊下を通り、上へ登ると急に視界が360度開けるという演出。
短い間に、瀬戸内海にかかる大橋全てを一度に見たので、橋が建築的に美しいことに改めて感動しました。
橋はライフラインであると同時に景観的にも優れたものでなければなりません。恐らくですが、実用性はもちろんですが、景観性にもかなり重きを置いて設計されてるのではないかと思います。
橋って、構造的に均整が取れていないと成り立たないもの。設計者は極限までそれを計算されているはず。それが自ずと美に繋がっているのではないかと想像します。
自然の持つアシンメトリーな美に対して、人工的なシンメトリーの美。真逆の人工物が目立つといやらしいけれど、橋の場合は、遠目からはとても軽やか。そのバランスが良いのかな。
旅行中、ずっーと青空だったから(ものすごく暑かったけれど!)海の青さもひとしおで、余計にきれいに見えたのでしょうね。ラッキーでした。
次回のブログは、庭探訪編。
その建築も素晴らしかったので、2回に分けて書きます。