土用が過ぎてても留守がちで、なかなか干せなかった梅。1週間経ってようやく落ち着きましたので、遅ればせながら、いよいよ梅干し作りの仕上げ「土用干し」をしました。
梅はこうして干すから「梅干し」って言うのね。当たり前なことも実際やってみると、なるほどと思います。
「土用干し」には、乾燥・殺菌・色合いを良くし、柔らかな食感を作る・・・など色々な作用があるそうです。強い日差しだけでなく夜露にも当てます。
今年の梅仕事は梅干し作りに集中しました。といってもまだ経験が浅いため、南高梅たったの2Kgだけですが。
6月下旬に仕込んでからというもの(その様子→コチラ)、カビが生えないか?梅酢はちゃんと上がってくるのか?重石はこんなに軽くていいのか?と色々と心配していましたが、いま思えば杞憂でした。
すっごくいい感じに漬かった気がします♪
次はこのうまく漬かった梅を、保存ビンからそっと取り出して、水の中にさっとくぐらせてから、竹の平ザルに並べます。途中ひっくり返すので、どれを返したかよくわかるように生り口をそろえて並べたのが、唯一工夫したところ。
本当はしょっちゅうひっくり返さないといけないみたいですが、それにかかっている程時間はなく、あまりいじりたくない私は(皮を破いちゃいそうで)、2日間干してから一回だけひっくり返し、また2日間干しました。結果的に見ると、それでもうまく出来たように思います。
今年の夏はカンカン照りの晴れ続き。これまでは恨めしく見ていた猛暑の空ですが、土用干しでこんなに雨を心配せずにいられる年はないかも!?なんて。どんなに辛い環境でもひとつ位はいい所があるもんだなと思いました。
天日干しするとね、黄色がかった実の色が、赤っぽく変化します。不思議です。植物の不思議、自然の作用の不思議。塩漬けしただけの果実が、手間をかけるとこんな風になるなんて。何とも言えない美味しそうな色です。梅干しづくりの醍醐味をまたひとつ発見しました。
詳しいことは良くわからなくても、代々知恵として受け継がれてきたことは侮れません。家族の健康を願って女たちが続けてきた梅仕事に、めちゃめちゃ愛を感じます。
いますぐ食べたくなる程、美味しそうな見た目ですが、3ヵ月程馴染ませて、塩角がとれ味に丸みが出た頃が食べごろとか。もう少しの辛抱です。それに一部また蜂蜜や昆布のシロップに漬けて味を変化させるつもりなので、まだ梅仕事は続きます。
でもひとまずこれにて総括。今年上手く出来て気を良くしたので、きっと来年もまた挑戦しそうです。
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梅仕事とは、本来は梅の木を育てることから始まるもの。そこを端折ってやっていても、梅にはこれだけ感動することがある。自分で手間暇かけて作ったからこそ、しみじみと大事にいただきそうな気もしてます。
手仕事=丁寧な暮らし、とは違うと思いますが、何かを慈しみながら暮らすというのは、庭づくりにも似ていて。心をどう込めるか、自分ではどうしようもないものに、どんな風に合わせていくか、そんなことを教えてくれるように思うのです。