そもそもオーナメンタルグラスとは?
直訳すると装飾的な草とか観賞用の草、という意味です。
グラス(grass)はイネ科の植物を指し、花は咲きませんが、涼やかな草姿、春や秋に出る穂、冬の枯れ姿まで、植物本来が持つ自然な美しさを堪能できます。特別なお手入れをせずとも、雨だけで育つほど丈夫なのも魅力です。

日本にもススキをはじめ多くのイネ科植物が自生しておりますが、そのほとんどは雑草扱い。勝手に生えて、勝手に増えているという印象で、意識的に眺める人も少ないでしょう。
しかしこの雑草が今やオーナメンタルグラスと呼ばれ、世界の庭で重宝されているのです。
実はグラスを効果的に取り入れた庭づくりは、私がガーデンデザイナーになった20年以上前からありました。それが近年、オランダのガーデンデザイナー・ピートアウドルフ氏の提唱するナチュラリスティック(自然主義的)ガーデンの世界的ムーブメントにより、一気にスポットが当たった感じです。
ナチュラリスティックガーデンという概念は、日本の侘び寂びに通じるものがあり、私もとても共感しています。
さて、今日のブログは、そんなオーナメンタルグラスの切り戻しについて書こうと思います。
前述しましたように、ほとんど手入れのいらないオーナメンタルグラスですが、唯一、手入れらしい作業といえるのが、冬のカットバック(切り戻し)です。
ナチュラリスティックガーデンでは、一年を通して、植物のありのままの姿を愛でるので、冬になって葉が茶色くなってもそのまま楽しみます。

しかし、そのままですと春に新しい葉が伸びてきた時に、枯れた葉と混然してしまいます。葉が多いだけに枯れ葉だけを整理するのは非常に手間がかかります。
そこでおすすめしたいのがカットバック。
新芽が生育しやすいようにする意味もあって、遅くとも3月中には、切り戻し作業を行うようにしましょう。
方法は簡単です。
伸びた葉を紐かマスキングテープなどで一つにまとめ、地際を露わにしたら、鎌で刈り取ります。剪定ハサミより鎌の方が作業がしやすいです。
今回、手前に写っているペニセツム・ビロサム「銀狐」ですが、あまりに株が大きくなり過ぎていたので、ひとまとめにはできず、何束か分けて刈りました。

カットバックしてみたら、想像以上に株が大きくなっていました。このまま育つと、場にそぐわない程大きくなってしまいます。
カットバックついでに株分けすることにしました。根の張り具合によっては、一旦掘り起こす必要があります。



どの品種が日本の気候や環境に合うのか、またどんな宿根草を合わせれば良いのか、自分でも実際に育てて色々と試しています。
オーナメンタルグラスは様々な品種があり、草丈は小型、中型、大型と3種類に分けられます。葉や穂の色かたちも豊富。
何よりいいなと思うのは、動きがあって柔らかな雰囲気を作ってくれるところです。それでいてモダンな面もあるんですよね。
デザインの新しい可能性が広がる魅力的なオーナメンタルグラス、あなたの庭でも取り入れてみませんか?