いつの頃からでしょう。桜が咲くのをこんなにも楽しみにするようになったのは。
子供の頃は、特別な気持ちで桜を愛でた記憶がありません。たぶん20代でも、結婚するまでは、今ほど感慨深く見ることはなかったような。それが年を重ねるごとに、桜、桜、あぁ桜。春になると、この花を一体何度愛でることでしょうか。
思うに、花をただただ眺めるだけ、という行為は大人でないと出来ないかもしれません。子供はきっと飽きちゃうもんね。
お花見といっても、私の場合、大抵は一人花見なので、何にも持たず見物することが多いです。家族と一緒の時でも、せいぜいが缶ビールと軽いおつまみ程度かな。
そういえば、こんな話を読んだことがあります。
篠田桃紅さんの著書「桃紅105歳好きなものと生きる」にある江戸時代の富める町人の豪勢なお花見についての一文。
彼らは五段の重箱を下げてお花見に出かけていました。そして桜の木の枝から枝へ紐を渡して、着て行った贅沢な羽織や打掛をかけて、その中で酒盛りをしたそうです。贅沢な着物と絢爛たる美しい桜、それが当時のお花見の風情でした。外を歩く人々は、その贅沢さに目を奪われ、隙間からお重に盛られた料理を覗き見たに違いありません。
一夕の夢物語として、彼らは消えてしまうことにお金を遣うことを惜しまなかったようです。ばかばかしくてもったいないと言えばそれまでですが、そういうことを面白がり、優雅に楽しんでいました。
桃紅さんは言います。「文化と言うのは、ばかばかしさから生まれます。今の人は優雅な楽しみ方をしているでしょうか」
うーーーん。私のお花見に優雅さは欠片もないけれど、あんたは虫か!という程のばかばかしさで、花を追いかけているのは間違いないな。
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お花見今季3回目は、高島市の海津大崎へ。
こちらは桜の名所100選に選ばれた県内でも有名なお花見スポットなんですよ。ウチからは車で1時間半ほどかかり、桜の時期はかなり混雑するらしく、これまでなかなか行く機会がありませんでした。
今回は、夫がたまたま平日に休みが取れて、空いてるんじゃない?と予想して、行ってみようとなったのでした。
予想通り車の渋滞もなく駐車もできました。
晴れたのは良かったけれど、花冷え。結構風が冷たくてー!やはり湖北(琵琶湖の北側のことをこう呼んでいます)はまだ寒かった。
それだけにまだ花が結構残っていて、満開から一歩だけ進んだくらい?満開といってもいい感じで、道いっぱいに枝を伸ばしてトンネルになっているところが素晴らしかったです。湖と桜の景色も評判通り。とても美しくてウットリ。
いくつか画像をお楽しみください♡
そんな桜の名残りをウチでも楽しみたくて、お土産に桜餅と桜の塩漬けを買って帰りました。
桜の塩漬けは、まずは桜茶に。茶碗の中でふわっと花開いて、またまたお花見が出来ます。
桜の塩漬けって、7分から8分咲きの八重桜で作るんですってね。だからこんなにきれいに色が残るんでしょうか。
つづいて作ったのはあんぱんです。
見た目も可愛いし、甘い餡と塩味がマッチして美味しく焼けました(^m^*
桜の塩漬けはまだたくさんあるので、次は「桜おこわ」を焚いてみようと思ってます。
関西の桜はもう見頃を過ぎつつありますが、私のお花見は食卓でまだ続きます。