夕暮れどき・・・太陽が沈んで薄明りが残るころ、家々に灯りがともりはじめます。これからの季節、窓からもれる暖かな灯りは、心を和ませる景色のひとつです。
ディアガーデンでは、まず庭の照明が自動点灯し、それに気づいて部屋にも点けるという感じ。事務所は道路からよく見える場所にありますが、窓のロールスクリーンは下ろさずにいますので、灯りをつけると特に、丸見えです・・・^^;
ほぼ車しか通らないため、恐らくですが、じーっと見られている感じはありません。私は仕事をしているだけだし、どちらかというとインテリアの方に目が行くと思うので、この程度ならいいかなと思って。
昼間とはまた違った前庭や建物の雰囲気を、感じていただけたらと思います。
建築家でエッセイストの故宮脇檀氏は、著書「暮らしをデザインする」の中で、窓についてこんな風におっしゃられています。
「見る窓、見られる窓」
窓を開けるときには、まず隣近所をよく調べる。お隣の家の窓の位置、クーラーの屋外機などとぶつからぬように、また、奇麗に山が見える方向、風の吹いてくる方向など考えてから慎重に開けるようにしたい。環境を上手く取り込むという工夫をして窓を開けることが窓作りのコツ。
そして同時に、窓のもう一つの大事な役目は、町に向かって楽しい家の中の雰囲気をこぼしてあげること。美味しいコーヒーの匂い、奇麗な花、楽しいピアノの音が道を歩いていて感じられれば誰でも気持ち良くなる。
ヨーロッパの人たちが皆窓に花を飾っているのは、窓は道のショウウィンドウだと思っていて、道を飾るためにしているのだ。いま流行の出窓などは、まさにそのための窓といってよい。
道から見える位置に白い格子のはまった可愛いこんな窓を作り、花や季節の飾りものをしている。そんな家が立ち並んだ住宅地が出来たら、それは本当に住んでみたくなる街、環境だと思いませんか。
貴方がそんな家を作り、そんな住み方をすれば、貴方がその街の環境を作ることになるのです。
宮脇檀氏はバルコニーガーデンをおしゃれに楽しんでおられた方です。ご本はどれも面白くて大好きです。これを読んだのは2005年でした。
部屋から「見る窓」は当たり前だけれど、外から「見られる窓」という発想で設計された住宅はどれ程あるでしょう?また道を飾るとか雰囲気をこぼすという意識を持って暮らしている人がどれだけいらっしゃるでしょう?日本に足りないものだと思います。とても共感したのでメモってました。
じゃあ、ディアガーデンは街に向かって、何をこぼす???
今のところは、外から見える窓に観葉植物やリースなどを飾るとか、先程ご紹介した夜の暖かな灯りをこぼすとか、しています。いかにも事務所という感じにならないように、柔らかでいてスタイリッシュな雰囲気をこぼせたらいいな、なんて思います。
最後に日本の現実を。
洗濯物(特に下着類)や寝具などは超プライベートなもの。それらを晒しているとは、しかも見られているなんて、全く思っておられないようです。