ある造園会社の社長様の依頼で、久しぶりに和庭のパースを描きました。孟宗竹と穂垣(竹の小枝をたくさん集めて作る竹垣のこと)がメインの竹の庭。植え付け時と管理にはコツが要りますが、非日常的で伸びやかや庭が出来上がると思います。サラサラという竹の葉音のなか園路を歩き、風を感じて「あぁ気持いいなぁ。」なんて、絵の中で遊びながら描いています。
同業者様からの依頼は大抵ザックリとしたもの。ツーカー的な感じでわかるのですが、庭のディティールは「適当に描いといて。」と言われる方がほとんどです。多分現場合わせになるので、ご本人様も想像しきれていない部分なのでしょう。悩み所です(>_<)
植物や景石もその特徴を捉えて描かないと伝わりませんので、時間があるときに写生をしたり、資料の写真を見ながら書いたりしています。またプロの画家さんがどんなふうに描いているのかを見て目を養っています。
最近では、イギリス「キュー王室植物園」所蔵のボタニカルアートと江戸の植物画展を観てまいりました。
写真の技術がなかったころ、資料を残すには描くしかありません。未知の植物を見た感動が伝わってくるほどに、ものすごく細かく描かれています。葉脈の一本一本、花びらの質感、種や根まで、忠実に写し取る技術は圧巻です。江戸時代もガーデニングブームだったので、イギリスに負けていません。日本の場合は芸術的鑑賞要素が更に高く、植物画も屏風仕立てになると、素晴らしいインテリアです。
この日はあまりに真剣に見すぎて?頭痛。俗に言う知恵熱ってやつ⁈が出てしまいました。