コロナ以前から外で呑むことはほとんどなくて、専ら家呑み派です。
といっても、週末に夫と晩酌で缶ビール1本いただく程度ですので、殊更いう程のことでもありませんが、それでもあると、お料理も美味しくなるし、楽しいし、リラックスできます。
今冬は雪が多くとっても冷えますので、燗酒をちょっと特別な雰囲気で楽しもうと、あるアイテムを導入しました。
清課堂さんの「ちろり」です。
京都寺町二条にあるお店の前をよく通るので、時々寄っては、工芸品のような品々をうっとりと眺めていました。いつかはこのちろりで一献・・・と狙っていたものです。
この頃は出掛ける楽しみが制限されたからか、この類の「いつか」が頻繁にやってくるような?
細やかながら、これも経済活動に貢献するものと肯定して買っちゃいました。
++++++++++++
「ちろり」とは、お酒を燗 (かん)するための容器のこと。名前の響きがとっても可愛い。
幾つかある清課堂さんのちろりの中で、この「錫 鎚目(つちめ)ちろり」は1838年の創業当時のカタチを受け継いできた最もスタンダードなものだそうです。手に馴染む徳利型で、上部には丸鎚目、下部には石目を施してあります。
蓋つきで実用的な「たんぽ」に比べ、凝った意匠のこちらは、そのままテーブルに出しても映える目に麗しい逸品。
清課堂さんのお話では、蓋がなくとも香りが飛ぶことはなく、それほど気にしなくてもいいということでしたので、自分の好みを優先してこれに決めました。
季節やお料理によって色々なお酒をいただきますが、日本酒は銘柄もたくさんあって、なによりその味が好きなのです。キリッと冷やしたり常温やお燗などで違う風味が楽しめることも大きな魅力のひとつです。
また、ひとくちに燗酒と言っても、温める温度帯によって「日向燗」「人肌燗」「ぬる燗」「飛び切り燗」など風情ある名前が付けられていて、その温度によって変わるところが面白いです。
本当は温度計で測って温めるのが一番なんですけれど、私は無精して感覚で。ぬる燗(40℃)から上燗(45℃)くらいにつけることが多いかな。実家で父の晩酌時や法事などの集まりの折などに、よくお燗番をしていたので、こんなもんかなというのは大体分かります。
お気に入りのちろりでお燗したお酒で、一人悦に入っています。