BISESに期待して

ガーデニング雑誌ビズ「BISES」をご存知でしょうか?このブログの読者様なら、見たことがある方もおられると思います。そのBISESが、1月16日発売号にて休刊するらしいです。1992年の創刊以来、出版社は何度か代わりましたが、昨年1月には100号を出版されましたのに、とても残念です。

私が初めてBISESを手にしたのは、ここ滋賀に越す前、たぶん初めて自分の家を建てた頃だったと思います。もちろんガーデンデザイナーでもなんでもなく、庭をどんなふうにしようか夢を描いている真っ最中で、まだamazonもない頃。本屋さんで素晴らしい庭の写真に吸い込まれました。当時のBISESには、毎号、ガーデンフォトグラファーのアンドリュー・ローソンさんの作品が掲載されていたのですが、そんな写真はこれまで洋書でしか見たことがなく、かなり衝撃的でした。日本の雑誌もやるなぁ!と、いっぺんにファンになりました。

世界各国の名園を大々的に紹介してくれ、植栽デザインの事例をたくさん見せてくれた雑誌。日本の庭を変えてくれた雑誌。「ガーデニング」という言葉を流行語にした雑誌。こうした様々な功績を振り返ると、やはりすごい雑誌だったんだなぁと思います。休刊ということは、また違う形でスタートするかもしれない、ということ。新たなBISESに期待したいです。

BISESとはこのような雑誌。ディアガーデンが掲載された号で、特に思い出深い30号。

私とBISESのつながりはまだ他にもあって。ディアガーデンを立ち上げた翌年の2004年。ついに!というか、まさか!で、BISESに掲載されることになりました。そのころ、ガーデンデザインコンテストを毎号やられていたのですが、私が応募したデザインに優秀賞をいただいたのです。

ちょうどその連絡があった数日前には「国際バラとガーデニングショー」のデザイン部門入賞の知らせもあり、ダブル入賞となりました。嬉しくて光栄で、でも驚きの方が大きかったのを覚えています。まだ仕事も少なく不安ばかりでしたが「キミのデザインは全国的に通用する。続けてもいいんだよ。」と、背中を押してくれたのが、この二つの賞でした。本当にありがたかったです。

初心忘れるべからず。その時いただいた賞状や楯・メダルは、今も事務所に大切に飾ってあります。

個人的には、2000年前後のBISESが好きで、近年号は書店で手に取るも、買って読むまでに至っていませんでした。出版社が変わるたびに方向性も代わり、馴染めない時期も確かにありました。イングリッシュガーデンに憧れていたころは、単に楽しみで見れていたけれど、プロになって、実際作るには環境的に厳しいという現実を知ってしまいましたしね。でも同じものは作らない前提で、ワールドワイドなデザインはもっと見たかったな。

珍しかった世界の庭は、いまや、掌の中でいつでも見られるようになりました。庭だけではありませんね、建築もファッションも何もかも。その結果、雑誌はその号の特集が、よほど心に響いてこない限り、買わないようになりました。雑誌の業界はいま本当に厳しいと聞きます。付録がやたらとつくようになったことからも想像できますよね。

BISESが休刊になったのには、たぶん、庭に関するあらゆることが、転換期を迎えていることにあるとも思います。気候も変わってきていますしね。暑い時は殺人的な暑さですし、ゲリラ豪雨という言葉ができたくらいです。恐ろしい程の雨が降る、また雪が降る、などなど。植物も庭仕事する人も大変です。環境に適応し、暮らしや建築デザインにマッチしたもので、かつ、心浮き立つものでありたいですね。最後が一番大事かな。そう思います。

今後、個人が庭を持つことは、ますます特別なことになるのでしょうか?BISESが変革期に当たる今、私もスタイルを見直さないと。これは以前から肌で感じていたこと。アプローチを変えるべく、近々勉強に行ってこようと思っています(。・ ω<)ゞ 心浮き立ってます!

来週は本屋さんでBISESの最新号を要チェックです!

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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