この頃は、来春以降の工事計画の件で、あちこち移動して打合せをしています。
これまで庭作りをしたことのない土地に伺うと、そこに育っている植物を観察するのが癖になってしまいました。ここ関西でよくみる植物も、例えば桜前線や紅葉前線という風に、その時期その土地ならではの育ちをすることもありますから面白いものです。
先日、愛知県に打合せで伺った折、ある場所で。
「今日はまさに小春日和。青い空にイチョウの黄葉が映えて綺麗だな~」と思いながら気持ち良く歩いていて、ふと傍の桜の木を見上げると、11月なのにナント花が咲いていました。
これが狂い咲きというものでしょうか。
桜は普通、夏に花芽が作られ、越冬芽という形で冬の低温を経て、春に咲くものです。
しかし花芽が分化した後、葉が異常落葉したりして、樹芽や種子の胚などの成長を抑制する植物ホルモン「アブシシン酸(ABA)」の供給がなくなり、その後高い気温が続いたりすると、休眠状態を経ないで成長し開花してしまう・・・と聞いたことあります。
それかなぁと思いながら、季節外れの桜を見せてもらいました。
そして少し歩くとまた「???」という木に出会います。
1本の幹から分かれている枝先に、明らかに違う色の実が生っているのです。それがモチノキだというのは分かりますが、黒い実と赤い実が生っています。どうしてこんな風になっちゃうのでしょう。
不思議に思い、幹から根元と目線を下げて観察するのですが、根は一つに見えるのです。
株立ちには、1本の木を根元から切り株にし、そこから幹を複数本立ち上がった「本株立ち」と、苗木の頃に何本か寄せて植え、株立ち形に仕立てた「寄せ株立ち」があります。2種を同じ種類と思って寄せ株にしたものが、成長して、くっついちゃったのかな?でもモチノキの寄せ株なんて見たことがありません。
それとも鳥の仕業かな?どちらかが一人生えで、成長してくっついちゃったのかな?・・・知らんけど(笑)
誰か教えてください。
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別の日、今度は北陸に移動。
5年ほど前に計画したお庭の改修についての打合せです。
久しぶりに訪れたお庭は、お客様のお手入れの甲斐もあって、いい感じに成長しています。一回りさせてもらい、懐かしい気持ちで見ていると、街中にある庭なのに、景石にはもう苔がのっています。
そう、こちらは降水量が多い土地柄、そして豪雪地域なのです。故に普段から湿度が高く苔も育ちやすいのかもしれません。
この日も滋賀を出るときは快晴だったのに、こちらに着いたときは雨でした。
打合せで何度かその土地を訪れると、季節の訪れ方、風の吹き方、湿度、空気の香り、天気の移り方など、自分の住む地域とはだいぶ違うなぁ実感するので、それがおのずと庭作りに生かされます。
計画が始まったばかりのお庭。随分様変わりしそうで、来春が楽しみです。
さて、この日は打合せを終えると、もう18時。乗り換え駅である金沢駅で降りることにしました。
駅の近くを少し散策。
コロナ前に訪れて以来で、そんなに変わっていないように感じましたが、金沢の訛りも久しぶりに聞けて、またもや懐かしく感じてしまいました。