お気に入りのカフェの庭

この夏、習い事で通っていた建物の耐震工事が始まり、お教室が移転しました。といっても降りる駅は同じ。少ししか離れていないのですが、散策ルートも多少変わって、目新しい日々です。

ランチやお茶をすることもあって、そういう時は味もさることながら、やっぱりお庭の美しいお店があると嬉しくて入っちゃいます。一人なので眺めるものがあると落ち着くの。静かなことも大事です。席がゆったりと配されてるとか、座り心地のいい椅子だとか、そんなところも重視します。それとなく客層も観察して、品のある大人の方が多ければアタリ!

今日画像をUPしたのは、そんなお気に入りのカフェのひとつ。今のお教室から歩いてすぐ、とても近いので通っています。そこは表通りから見ると、奥にカフェがあるなんてわからないので、知らない人がたまたまフラリと入るような感じではありません。私が伺う時間帯はウィークデーのお昼間ということもあり、人が少なめで静かに過ごせるの。

坪庭を眺めながらお茶をいただけるお席にて。ぼーっと見ているけれど、頭の中では勝手にこのお庭の植栽リストと平面図が出来上がっています。ガーデンデザイナーの性でしょうか?!

こちらは築90年、明治大正の雰囲気が漂う和洋折衷のつくりで、カフェスペースは今春リノベートしたばかりです。扉や壁のこちら側と向こう側の雰囲気全く違ってたりして面白いの。北欧の照明やビンテージ家具が配され、そのあたりはまぁイマドキなパターンなのかもしれません。

坪庭の植物たちがとても元気に育っていて気持ちいい。席から見ると手前に見える、本磨き仕上げの黒御影石の部分が、少しキツイなという印象です。庭の中で浮いている感じがしないでもない。でもしばらく眺めていると、光が変わった途端にクッキリと空や緑が写りこんできて、なるほど、これは池(水面)と同じ効果を狙ったものなんだと気付きました。

雨の日はここに波紋ができたら素敵だろうな。あの違和感は、良く言えば、注意をひきつける装置だったのかも?・・・なんて、コーヒーをいただきつつ、深読みしてます。

石貼りに写る景色。こういうことを計算して張られているのよね。
日によってはこんな個室に座らせてもらうこともあり。ルイスポールセン照明のPHシリーズが印象的な席です。この日はここに籠って短歌を推敲していました。これも習い事の延長で。

このくらいの広さのお庭は個人邸の参考になりそう。奥行きを感じさせる植物の配置、先に書きました黒御影石の効果、大き目の縁先手水鉢や灯籠の奥ゆかしい見せ方、背景の整え方、表通りからは想像できない意外性、など印象的なところがたくさん。

リビングダイニングからこういった眺めがあると、暮らし、いや生き方さえも変わるんじゃないでしょうか。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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