山アジサイの魅力

梅雨らしい日々です。降るべき時にちゃんと降ってくれる、当たり前のことが当たり前になされることに安心を見つけます。例年通り、いつもと同じ、平凡・・・、生ぬるい言葉かもしれませんが、当たり前を積み重ねると特別なことになる。非凡になる。だから当たり前が一番大事なんだと自分に言い聞かせてます。当たり前のことが当たり前にわかり、さまざまな感性を養っていかなかれば、「こういうものが欲しかった」と誰もが感じるものを作り出すことはできないと思います。

ガーデンデザインも然り。当たり前にある身近な自生植物を使いこなせてこそ、人にも植物にも環境にも負担のない、生き生きした庭になると思っています。自生種が多い日本庭園や茶庭は、百年以上経っても今なお魅力的で、現在の住宅の庭と比べると、やっぱり非凡な存在です。

梅雨時期に生き生きしているアジサイ、世界に誇る自生種です。世界中で品種改良されて、逆輸入したものもたくさんありますが、元々日本にあったものですからどれも育てやすい。アジサイは一見平凡に見えるかもしれないけれど、悠々と育っている様はやはり美しいもの。特に雨に濡れて咲く様はやはり風情がありますね。

特に日本らしい雰囲気を持っている品種が山アジサイ。花も葉も楚々として、茎も細くしなやかです。薄い色目、青系が多い印象ですが、ディスプレイガーデンで育てているのは、珍しい赤色の山アジサイ「クレナイ」です。以下、その変化の様子と周りの植物等とのコーデをご覧ください。

ヤマアジサイ「クレナイ」がいま名の通り真っ赤です。土壌によって色が変わることはなく、紅色になります。咲いているとき日が当たる場所だとより鮮やになります。
五月頃のクレナイ。咲き始めは白で、とても清楚な雰囲気です。この画像とても気に入ってます。
白がピンクがかって、やがて紅に変化。中心の細かな部分が本当の花です。
紅なんて、またピッタリの名前をつけたものですね。いい赤です。葉っぱにもちょっと紅が入るのも素敵。

山アジサイの剪定は6月中に行うといいですよ。外の萼が剃るのがサインと思ってください。「クレナイ」の場合、放っておくと茶色っぽくなって、見た目もよくないので、潔く切れます。あまり大きくなろうともしませんが、私は50cm位にして周りの植物と調和するように育てています。枝がゴツくなくて、いい感じで暴れてくれるので、花壇をより自然な雰囲気にしてくれています。

アジサイはそれだけ植えるとなんとか園みたいになってしまうので、フォルムの違う植物との組み合わせが重要かと思います。それも自生種との組み合わせにすると、山の一部を切り取ったような風情ある眺めが作れます。オススメです。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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