ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わっております。
今日は京都市内のある店舗での装花室礼の仕事をご紹介します。
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初夏は春に芽吹いた芽が、しっかりとして更に成長する時期。
茎や蔓が旺盛に伸びる様を花生けでも感じて頂こうと、青々とした蔓ものを活けてみました。
①5月初旬【盛り花】
蔓ものってお花屋さんでは、どんな風にも活けられるよう一本一本ほぐされて売られていますが、野にある時はたいてい絡まっています。
ですので、ありのままの姿というか、あえて絡めてガラスの丸い器の縁にぐるっと添わせ、蔓同士をひっかけて留めました。飾る場所が限られているので、こうした方がまとまりますし、扱いやすく簡単に活けられるように思います。茎の柔らかな質感もいい感じに出せます。
縁に這わせた蔓にもたれるように挿した花は、五月晴れの空の色を映したような矢車菊と白い花のオーニソガラム。
同じ季節に咲く花はどのように活けても相性が良いものですね。
②5月初旬【掛け花】
草の他に、枝の状態の蔓ものもあります。
この日は山帰来(サンキライ)を仕入れました。
山帰来って冬によくリースで使う花材です。そう、あの赤い実の!でも今の時期はまだ未熟な実で、ツヤツヤの丸葉も愛嬌があります。
この青葉の山帰来もまた素敵じゃないですか?
いつも枝が何本かセットされているものを買いますが、その中で「さてどの枝を使おうか?」と選ぶ作業が楽しいです。
素材の良さが出そうな1本を手に取り、不要な枝をチョンチョンと切って・・・角度を定め息を止めて挿す。たまにですが、こんな最小限な始末で一発に整うときがあります。活けていてすごく気持ちいい瞬間です。
それが今回の掛け花で体験できました。
自然がつくるカタチって本当に素晴らしいですね。
ちょっと手を入れただけで、突然動きが出て。
でも不思議と景色は静かなのです。
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さて、京都府は先月25日から緊急事態宣言の対象となり、こちらのお店も、5月19日から末日までの予定で臨時休業に踏み切られました。
ですので、今月の花活けはGW明けに伺ったこの一度きり。
残念ではありますが誰もが辛い状況。私は諸事情を慮り従うまでです。
今後、状況をお尋ねしつつ、また花生けが出来ることを楽しみに待っています。