植物に罪はない-特定or要注意外来生物

地元の観光スポット「八幡堀」四季折々様々な表情を楽しませてくれます。春は桜で埋め尽くされ、初夏の今はちょうど黄菖蒲が見頃。夏は深い緑、秋はたくさんのキャンドルが灯るお祭りがありますし、冬の雪景色も素敵です。

ディアガーデンからは、お散歩がてら歩いても行ける場所。といっても、普段は車で出掛けたついでに立ち寄ることが多いです。観光客を避けた時間帯にほんの10分くらい歩くだけ。私にとっては、琵琶湖沿いを歩くときと同じく気分転換出来る場所。パワースポット的な場所ですね。

なんたって堀のすぐ近くに氏神様である日牟禮八幡宮もあります。スッキリとクリーンな雰囲気の境内に入ると、一発で不浄なものを払ってくださるので(そんな気がするだけですが)堀に寄ったときは、よくお参りさせてもらいます。

黄菖蒲が見頃を迎えた八幡堀
これは桜の木の新緑です。春は桜の花で埋め尽くされる堀。

八幡堀にとっても映えている黄菖蒲ですが、実は日本の侵略的外来種ワースト100 指定種で、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。楚々とした印象の青系のカキツバタは絶滅危惧種に指定されていて、もしも黄色の菖蒲を交雑すると「遺伝的撹乱」の可能性もあるし、繁殖力で負けてしまうのね。

こちらに越してきて10数年。八幡堀の昔の姿は知らないのでわかりませんが、カキツバタもあったのかもしれませんね。黄菖蒲に負けちゃったのかな?今はほぼ黄菖蒲オンリーです。必要であると判断された場合は防除を行うのですが、八幡堀の場合はそういう判断がされていないのかもしれません。

こちらは平安神宮の菖蒲園。見慣れた青系。これも好き♡
八幡堀は黄色の菖蒲がほとんどです。

黄色い花と言えば、今の時期河川を彩るオオキンケイギク。ワイルドフラワーという言葉がピッタリくる北アメリカ原産の宿根草です。これがまた繁殖力旺盛。琵琶湖沿いの河原にもたーくさん咲いていて、それはそれは綺麗なのです。でも特定外来生物に指定されていて、栽培が禁止されています。

よく見知ったところでは、西洋タンポポやセイタカアワダチソウ、ホテイアオイなんかもそうです。特定外来生物を野外に放ったり・植えたり・まいたりした場合、「外来生物法」という法律に違反し罰せられることもあります。

西洋タンポポの綿毛に息を吹いて飛ばすとか、摘んで部屋に飾るとか、小さい頃なら誰しもしたことです。そういうのはさすがに「野外に放ったり」ってことには当たらないと思いますが。

2.3日前ちょうど、近所の小川沿いに咲いているオオキンケイギクを摘ませてもらいました。飾ってます。かわいいです。これは保管にあたらないでしょう(´・_・`)?種はとりません。もちろん育てません。適切に処分することを誓います!

私は造園のプロとして、日本の環境を守る努めもありますので、自生種を主体としたガーデンデザインを心掛けていますが、全く外来種を使わない訳ではありません。その場に合えば植えることはもちろんあります。個人邸の狭い空間で節度をもって楽しむくらいなら、まだ拡散も防げそうですが、公園や工場、広い公共スペースを緑化するときは、目先のことばかり考えていてはいけませんね。いま特定外来生物に指定がある植物はもちろん、そうでない外来種も考えなしに使うことは避けなければなりません

植物に罪はないのです。あくまで人間の仕業。気づいた人から変えていくしかありません。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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