昨年から計画していましたお宅の工事が始まりました。
広い敷地に建っていた2階建ての家を、お洒落な平屋に新築されたお宅で、境界を整えたり門壁やアプローチ・駐車場といった外構工事(エクステリア工事とも言います)と、石を据えたり木を植えたりといった景色を作る造園工事、この2種類の工事をします。
これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になるかもしれませんので、工事の様子を追々UPしていこうと思います。
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さて最初の工程はというと、リフォームの場合は解体工事、新築の場合は土工事から始めます。
今回のお宅は建築工事の前に、元々あったお庭(前栽)の解体工事も済まされていましたので、ほぼ更地の状態から始められました。
コンクリートブロック造の門壁や境界ブロックを設置する場所の土を掘削し、型枠や鉄筋を組みコンクリートを打設するといった構造物の基礎となる部分を作ります。
ブロック塀は近年、地震で倒壊する事故がよく報道されます。建築基準法に則って作ること。万が一、想定外の大地震で倒壊してしまっても、お施主様や通行人の方々に被害が及ばないような設計の工夫をしなければなりません。
この門壁は高さ1.5m程ですが、場所上、控え壁がない方が使いやすいので設けず、かわりに基礎を安定的な逆T型で作ることしました。道路から3m程奥まったところに設置するので、万が一道路側に倒れても敷地内です。家側に倒れてもアプローチの上で建物に当たることはありません。
今週は上の画像の型枠を外すところまで進みました。この上にブロックを積むのはもう少し先です。
このブロック、かなりカッコいいデザインのブロックなので楽しみです。
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次は隣地境界線に沿って設けるブロック塀の基礎をご覧いただきます。
隣地は里道といって細い路地になっています。そこに元々ある溝がかなり古く、その溝を固定しているコンクリートもかなり古い。なんなら里道の舗装も危うい感じで、とにかく慎重に慎重に掘削していただきました。
埋められていた土を掘ってみると画像↓のように境界がガタガタ。元の建物にあったものを解体するときにこうなったように思うのですが、ここを、もしも真っ直ぐ削るとしたら公共の溝を壊す危険性もあります。境界問題もデリケートですし、出来る範囲で整え、そおっとこのままブロック基礎を作ります。
出来るだけ境界に寄せるようにブロックを積み、ガタガタ部分もきれいに埋める予定です。
新しく造成された宅地ですと、このようなことはありません。
住み継がれた土地は、他にも色々と気を遣うこともありますが、そこはしっかり対応せねばと思っています。
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こんな風に構造物の基礎や、木や草花を植える土壌づくりなど、私達の仕事の半分は土の中に隠れてしまい見えません。土の中に構造物を作ると、その体積分以上の土を処分する必要もあります。
見えている塀や土間、植栽に費用が掛かるのは理解されやすいのですが、見えない部分や捨てる部分にも、たくさんの費用と労力が掛かることをご理解していただきたいです。
基礎工事が安価でお座成りでも埋められてしまっては分かりません。見積書の段階で、この部分がしっかり計上されているか確認し、説明を求めましょう。
そのために、ある程度、お客様も勉強されなければならないと思います。
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土工事の現場はぐちゃぐちゃ、画像も美しくありませんませんが、庭の骨格を支える大事な工程です。
測量してもらって、色々な構造物の高さをしっかり決めていても、掘ってみると上手く合わない場合もあって(建物の関係、劣化した公共物との関係等)、でもその場その場で一番良い処理をしていかなければなりません。
無駄に悩んで職人さんの手を留めることは避けたいし、追加費用を発生しないようにもしなければ。
そんなこんなで、工事関係者みなにも意見を聞きつつ、良い納まり、美しい納まりというんですかね?元からそうするはずだったかのような自然な納まり、何より使い勝手よくお施主様が納得されてお喜びになる納まり、そんな納まりどころをいつも考えています。
土工事の工程は、駐車場部分や敷地の他の部分を均したり、まだまだ続きますが、ひとまず今日はここまで。
次回は庭石や手水鉢など据えるところをご紹介できるかなぁと思います。