イギリスの偉大なガーデンデザイナー、ジョン・ブルックス氏が3月16日に亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りすると共に心より感謝申し上げます。本当に有難うございました。
この業界で、とりわけイングリッシュガーデンに一度でも触れた人なら、彼を知らないはずはない。そんな有名な方です。
私がジョン・ブルックス氏の存在を知ったのは、ガーデンデザインの仕事に就くずっとずっと前、多分今から20年以上前のこと。まだ兵庫県に住んでいた頃で、確か姫路市のとある書店の洋書コーナーで、氏の著書「THE NEW SMALL GARDEN BOOK」を手に取ったのが最初です。
ちょうど家を新築したばかりで、小さいながらも初めて自分の庭を持った私。本にある庭に触発されまくっていました。彼がどんな方かも知らなくて、書かれている内容もほとんどわからなかったのに、ただ見ているだけでワクワクしたのを覚えています。
ガーデンデザイナーという職業があることも、その頃初めて知ったように思います。
それとほぼ同時期だったと思うのですが、NHKBSでイングリッシュガーデンの番組が11回シリーズで放送され、その中でもジョン・ブルックス氏の庭を見ています。
その番組は個人の庭をリフォームするという内容で、毎回ガーデンデザイナーは変わります。クライアントの希望を聞くことから始まり、デザインするところ、工事の様子、完成から数か月経った様子まで、本当にわかりやすく伝えてくれていました。ブルックス氏の他にも有名デザイナーの作品が次々放送され、これまた全く知らずに、ただただワクワクして見ていました。毎回番組を録画して、今思うと笑っちゃうくらい一生懸命勉強していました。実はそのノートが残っているんです。懐かしい・・・(下↓の画像)
何にもないところに植物を使ってこんなに素晴らしい空間が作れるのか!クライアントの暮らしを快適にするだけでなく、喜びも感じてもらえて、ガーデンデザイナーってなんかすごい職業だって思いました。
これらのことが本格的にガーデンデザインを学ぶキッカケの一つとなり、今の私に繋がります。
私にとってジョン・ブルックス氏は、ガーデンデザインの世界への扉を開けてくださった方。お会いすることはありませんでしたが、それから何度もTVや紙面などで拝見しました。20世紀のモダンガーデンを牽引してきた氏から学んだことはとても大きいです。
選ぶ植物は、21世紀の環境に合わせて変わっていきますが、デザインに対する考え方や姿勢は同じ。リスペクトは続きます。