映画「マイ ビューティフル ガーデン」

3月のブログ「今春おすすめのガーデンシネマ」にてご紹介した映画「マイ ビューティフル ガーデン」(原題「This Beautiful Fantastic」)

やっと観ることが出来ました~!

レビューを書きますと言っていたので、今日はネタバレにならない程度にたっぷりと書こうと思います。

しかし半年も待たされるとはねー!京都シネマが、いつまで経っても上映してくれないもんだから、もう少しで見逃すところでした。同映画館では9月2日~15日までの公開です。各地ほとんど終了していますが、まだ一部見られるところもあります。

(実は最寄りのイオンシネマ近江八幡で6月頃上映されていたようなんですが、当初ここでは上映されないことになっていたので、アッサリ見逃した・・・。

クリックすると「マイ ビューティフル ガーデン」のサイトへ

公式サイトより抜粋。あらすじ↓

図書館に勤めながら絵本作家を夢見るヒロイン ベラは、几帳面すぎるせいか、
無秩序に伸びる植物が大の苦手。そのせいで、庭を荒れ放題にしていた。ある日、家主から彼女に届いた知らせ。

一ヶ月以内に庭を元どおりにできなければアパートを出ていくこと。

何から手をつけていいかわからないベラを救ったのは、犬猿の仲だった隣人アルフィー。
偏屈者の老人にしか見えなかった彼こそが、実は卓越した庭師だった。
ベラの悪戦苦闘を見かね、大切な教えを伝授していくアルフィー。
2人は庭づくりを通して特別な関係を築いていく。そして、最後にベラが手にしたものとは――。

自分の殻に閉じこもっていたベラが、自分の世界から一歩踏み出した時から始まる様々な出会いと奇跡。
心温まるハッピーエンドはささやかな幸せを願うすべての人に勇気を与えてくれるはずだ。

殻に閉じこもる人に対しては、わざわざこじ開けようなんて誰も思わないものね。自分から心を開けば、どんな状況でも好転していくもの。あとは素直さですね。豊かな人生、よい人間関係をつくるのに必要なのはその二つだと、この映画を観終わってつくづく感じました。

ベラがどんな庭づくりをするのか?卓越した庭師だというアルフィーの庭はどんな風?私が見たかったのはそこなんですが、庭はなんていうか「美しい印象を残す」ためにあって、デザインとして見るには全く物足りません。でもいいんです。庭でのシーンは幻想的で本当にきれいだったから。

登場人物は少ないけれど、ひと癖もふた癖もある個性派ぞろい。それぞれは心の奥に悲しみを持っていて、だからこそ優しくて、ユーモアがあって、愛すべき人々なのです。くすっと笑ってしまうような会話の掛け合いが最高です。

やっぱり演じる俳優さん達がみんな素晴らしいのね。ベラ役のジェシカ・B・フィンドレイが可愛いのは当然として、特に偏屈老人アルフィー役のトム・ウィルキンソンと、料理人ヴァーノン役のアンドリュー・スコットがとってもチャーミングです。お互いを罵り合っているけれど、実は深く理解し思いやっている的なシーンがいっぱい出てきて、なんかねー、いいんですよ。

アルフィーの庭。いろいろな植物が自由に咲き誇る。アルフィーいわく「美しい秩序を保った混沌の世界」とっても素敵なシーンです。

肝心の庭づくりの仕上げにやや「???」と思ったり、デートのドタキャン理由に「えー、そんなんアリ?」とズッコケそうになったり。それでエンディングはちょっと切なくて・・・。特筆すべきは中盤ですね。素晴らしく癒されます。

図書館好きな私としては、イギリスの重厚な図書館でのシーンがたまりません。インターネットとか携帯電話の代わりに、タイプライターやラジオが登場します。時代設定はいつなんだろう?と思う位アナログな雰囲気です。ベラのガーデニングファッションも独特でかわいい!真似してみたくなります。

こんな風に衣装、料理、インテリア、みんなお洒落で、ワンシーンワンシーンが凝っていますので、手元に置いてまたじっくり見てみたいと思う映画でした。

この映画の空気感とか、会話とか、ファンタジックな部分は、きっと誰もを優しい気持ちにさせてくれるに違いありません。特にフランス映画の「アメリ」が好きな方はハマると思う。

虫除けにチュールをすっぽりかぶったベラ。手袋も何気にコーディネートされていて可愛いガーデニングスタイル♡

庭づくりを題材にした映画は、たいてい女性が主人公で、ポジティブなものが多いです。これまで見た「ベルサイユの宮廷庭師」や「フラワーショウ!」もしかり。美しい映像を楽しみながら、元気がもらえるという点でハズレがない。「マイ ビューティフル ガーデン」もその一つとして、特に女性にオススメの映画です。

最後に。ベラが庭づくりの教科書としてアルフィーから贈られた本「Ou Discovering The Garden(庭との出会い)」。アルフィーの人生を語るうえで重要な役割を果たす架空の本ですが、庭づくりの悦びが詰まった内容のよう。あんなに植物を嫌っていたベラですが、読後、なんと!ガーデナーになる気満々になっていました。

どんな魔法の言葉が書かれてあるの?私もそんなことが伝えられたらなぁと思いました。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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