先日隣の隣の市(守山市)に図面を納品した帰りに、佐川美術館で美人画展を見てまいりました。ブログ読者様には「え?また行ったの?」「どんだけ美術館好きやねん?!」とツッコまれそうですね。暇さえあれば、すぐ美術館に行っちゃうマブチです。(・∀・)エヘ
佐川美術館は、私が思うに、滋賀県で一番美しい美術館です。
常設されているのは、平山郁夫氏の絵画、佐藤忠良氏の彫刻、第15代当主・樂吉左衞門の茶碗と茶室。私は平山郁夫氏のシルクロードを題材にしたダイナミックで優しい絵画を見ると、いつも気が晴れる心地がするのです。家からも近いので、年に何回かは必ず訪れる美術館です。
明治から昭和期にかけて描かれた美人画がずらり。しかし着物の女性というのは、なんであんなに綺麗なんでしょう。こう言っては身も蓋もないのですが、身体いっぱいに巻き付いてるあの美しい布があるから、あそこまで綺麗なんじゃないでしょうか。普段着だからグダグダに着付けてあるというか、今のように着崩れないようにときっちりは着てないですよ。身体の周り、布との間に美しい空間があって、それが仕草を決定的に綺麗に見せているように感じました。四季折々の情景も美しさを更に引き立てています。
男性の画家が多いので男性目線というか、ぽやーっとした美人ばかり。同性としては若干物足りない感がありましたが、入ってすぐのところに飾ってあった山川秀峰作「阿倍野」がすごかった。一番印象に残りました。浄瑠璃のお話を元に描かれたそうで、狐の化身の絵です。
和泉国信太(しのだ)の森の白狐は、猟師に狙われた命を危うく、安部保名(やすな)に助けられる。狐は、保名が探し求めていた葛の葉姫に化身し、その恩返しにし、保名と契って一子をもうけるが、そこに本物の葛の葉姫が現れる。それを知った狐は、「恋しくば 尋ねて来てみよ 和泉なる信太の森の うらみ葛の葉」の歌を残して姿を消す。
こんな場面が描かれています。二匹の白狐を伴った麗人の眼差し、森の風景、背筋がゾクゾクする程の世界観が大きな屏風に描かれていました。この絵を知れただけで、来てよかったと思えました。機会があれば是非ご覧になって。
美術館は私にとってパワースポット。感性を刺激してくれ、見終わったあとはいつも元気になるのです。今度はこちらの樂吉左衞門館でお茶会に参加してみたいなぁ。モダンなお茶室で樂吉左衞門造のお茶碗を使ったかなり贅沢なお茶会、私にとってはちょっと頑張った時のご褒美的イベント。これを楽しみに頑張りますか。