トクサのリース

2週間程前にディスプレイガーデン(駐車場)のトクサを地際でバッサリと刈り込みました。新しい茎に更新するためのルーティーンです。

刈り取った葉は一抱えほどもあり、まだ青々としています。

刈り取って置いておいたトクサ。

これまでは花生けに少し使って残りは捨てていました。でも今年はもっとアフターガーデニング。トクサのリースを作ることにしました。以前見たことがあって、一回作ってみたかったのです。

アフターガーデニングとは、庭で育てた植物を、庭にあるのとはまた違った目線で楽しむことを言います。

フラワーアレンジメントや、リース作り、ドライにしたり、クラフトの材料にしたり。育てた野菜やハーブを使ったお料理や、撮影してSNSで共有したりするのも、広い意味ではアフターガーデニングになると思います。

心を込めて育てた植物ですから、少しでも長く楽しみたいですよね。それに命を最後まで生かし切れる、自分なりにですけれど、そんなところもいいなぁと思います。

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リースと言うと、どことなく可愛らしい雰囲気を想像しますが、トクサのリースは違います。力強くてオーラさえ感じる、独特の佇まいのリースです。

まずは枯れた部分を取って水洗い。ざっくり束ねておきます。

作り方は色々やってみて、結局、一番手慣れた方法が上手く仕上がりました。いつものリースリング(土台)に結わえていく方法です。

いつもと勝手が違うのは、材料がめちゃくちゃ長いことです。クリスマスリースに使う針葉樹の葉っぱだと20cm位に整えてから結わえるので、すごくやりやすい。でもトクサの茎は1m近くあります。これを切ってしまっては、茎の流れが表現出来ません。良さが消えてしまいます。

手順をざっくり説明しますと。

  1. 土台に沿って長い茎を配置し、ワイヤーで仮止めしつつ足していき、円状に整えます。
  2. 最後に、ワイヤーを外しながら、飾り紐をバランスよく括り、茎を固定します。
  3. 仕上げに、暴れた茎を丁寧に整え、完成です。
シンプルなトクサのリース、出来ました。茎の流れを上手く表現できたと思います。直径45cm程で、かなり厚みがあるけれど、軽いです。

作っている間は無心です。

「こうした方がいいかな?」「あれ、違うな。やっぱこうか!」なんて、無心だけど、独り言のオンパレードです。考えながら手を動かすので、いい気分転換になります。

庭にトクサがある方は、この一味違ったリース、作ってみませんか?

玄関の壁に飾りました。モダンなだけじゃない、静かな迫力が・・・。

シンプルにこのままもいいし、飽きたら茎の間に何か、エアプランツを差してもいいかも。エアプランツの中でも、個性的な存在の「チランジア・ウスネオイデス」が合いそう。シルバーグレーの葉がトクサの緑に映えると思うんだけど。

トクサは既に乾燥していてリース自体はかなり軽いです。これから徐々に退色していき、最終的にはトープ色になります。寂びた感じでそれもまた良し、ですが、たぶん外してしまうと思います。保管か捨てるかはその時に考えるとして。

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新型コロナウィルスの感染防止で、まだまだ集会しにくい状況です。ディアガーデンでも実はワークショップを企画していましたが、様子見で、募集には至っていません。一体いつまで続くのやら?と先が思いやられますね。

でも庭に出れば、いつものように芽吹きが始まっていて、もうすぐ桜も咲きます。

自然はいつもの通り変わらずある、それを見ると、きっと私達もまた、いつもの流れに戻っていける時が来るはずと元気づけられます。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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