関西では観測史上最も遅い梅雨入りとなった26日、ここ近江八幡市では朝からピーカン。
とある店舗さんの庭のメンテナンスを請け負っており、天気予報では午後から降るようなことを言って心配していましたが、自称「晴れ女」のワタクシ、仕事を全うして?この日はとうとう一滴も降らせませんでしたw
雨が降らなくても、滝のような汗で結局ビショビショになるんですけど(^^;
こちらのお客様のお悩みは、植えた覚えのない、勝手に生えてきた木を放置していたら、いつの間にか大きくなってしまって、お店のシンボルである看板が見えにくくなってしまったこと。
見ると5m近くにも育っています。花壇枠ギリギリのところに生えているものが多く、普通で考えて造園関係者がそんな端っこに植える訳がないので、これらの木は、近くの木から種が飛んできて発芽した、もしくは、実を鳥が食べて糞を落とし発芽したものに違いありません。こういう現象を「実生」とか「一人生え」と言います。
一人生えの木でよく見かけるのは、高木ではクスノキ、シマトネリコ。クスノキは街路樹に多く、たぶん鳥が運んでいます。シマトネリコは庭木に多く、種を飛ばしているものと思われます。低木ではナンテンやマンリョウなどをよく見かけます。
そもそも木の実は繁殖のために生らすもので、熟すことによって鳥や動物に食べてもらい、遠くに運ばれるように出来ています。生き物の体内で発芽しやすい形に加工され、適度な水分や栄養分と共に排出されることまでも植物は計算済みで、その種のDNAには親から受け継いだ土地の情報も満載だから、根付きやすく成長も著しいのです。
そう考えると一人生えは起こるべくして起こる現象、ですね。
ディアガーデンの庭でも、一人生えはしょっちゅう。以前、侘助椿の根元にツヤツヤの葉をつけた苗が10cm程に育っていて、もしかして椿?と思っていたらクスノキでした。どこかでみたような?と思ったらマンリョウだったとか。ナンテンはさすがに分かりやすいのですが、葉が小さいうちは見分けが付きにくい場合もあります。嬉しかったのは山椒の木。ヒペリカムもあったな。うちの場合はもともと小さな庭だし、おまけに植栽が飽和状態なので、今は見つけ次第全部抜いてます。
一人生えで特に気を付けていだたいきたいのはクスノキ。「小さいからまだいいや。葉っぱもきれいだし、目隠しにちょうどいい」なんて思って放っておくと、あっという間に大きくなって、根も張って抜けなくなり、どうしよう~ってなります。広い庭ならいいけれど、普通のご家庭の庭先にクスノキがあると、剪定は毎年しないといけませんし、切り枝はワンサと出るし、落ち葉はすごいし、大変だと思います。
この店舗さんのように低木を植えている花壇内に一人生えが起きると、どうしても発見が遅れがち。これからもこのような現象が起こる確率は大で、日々の観察と、こまめに花壇のメンテナンスを行うことが一番です。
梅雨に入り、これから植物の成長が加速します。見かけない木を見つけたら、すぐ調べて正体を突き止め、冷静に判断してください。たぶん抜く方がいいかなぁと思います。