師走に入るのに合わせたように気温が下がり、ついに大好きな秋が終わってしまうのだなぁと思うこのごろ。
色鮮やかな紅葉もピークを過ぎて、いまは散りもみじの見頃です。
秋の名残りを探して、夕暮れ時に教林坊に出掛けました。
こちらはディアガーデンからは車で15分ほど。同じ市内にある天台宗の古寺で、小堀遠州作とされる名勝庭園は紅葉の名所です。
この前に来たのはコロナ前で香道体験の時だから・・・3年ぶりかな。近いのでたまに訪れていますが、夕暮れ時は初めて。わざわざこの時間に合わせたのは、ライトアップしたお庭を見たかったからです。
山門をくぐり、山に向かって緩やかに上る園路を進むと、そこは朱に染まる別世界。まさにレッドカーペットです。
いつきてもこちらのモミジの美しさには圧倒されますが、秋から冬の狭間の散りもみじは、侘びた感じもして、俗世のしがらみを忘れさせてくれるような美しさです。
このお寺は長い間、見捨てられていた歴史があって、それが木にとっては都合が良かったのかもしれません。お陰で自然に伸び伸びと成長しています。
山裾にあるので、日が当たり過ぎず、土もいいし、山から流れてくる沢が庭を巡っていて、湿度も十分。散った葉は、湿り気を帯びるとしばらくは美しさを保ちますので、このような真っ赤な絨毯になるわけで。
開発された住宅地で、モミジを植え育てても、こうはなりません。
ここにくるといつも感動、自然への憧れ、嫉妬、・・・そんな気持ちが湧いて来て、何とも複雑です。
この日は木曜日でしたが、撮影目的で来られている方、観光バスで来られたであろう方々が多数おられました。
来るたびに駐車場は大きくなっており、そこには他府県ナンバーがずらりと並んでいます。
近所過ぎてピンとこないのですが、SNS効果でしょうか?若い方も結構多くて、こんなに小さな集落の入り組んだところに、わざわざ来られるんだなぁと驚いてしまいます。
そうこうしているうちに夕闇が迫ってまいりました。
もしも一人でここにいたら、結構怖い時間帯ですが、この日はワクワクしかありません。
17時をまわるころ、照明が一斉に点灯。
残っている葉に照明が当たって、より一層赤く染まると、まるで木が迫ってくるような感じ。眼福です。
ライトアップは自然にはない照らし方。太陽も月も上から降り注がれるもので、下からはありません。自然現象で敢えて探すなら、反射とか照り返しのような感じでしょうが。だから私たちはドラマチックに感じるのですね。
ひとつだけ気になるのは光源が丸見えなところ。
こういう自然な場所ですと、わざとらしいのは間違いなくて、しかも光量が大きいのでウッカリ見るとめちゃめちゃ眩しく感じてしまうのよね。そこ修正したら、もっと素敵になりそうです。
ディスプレイガーデンのイロハモミジも半分ほど葉を落としました。
全部落ちるまで散りもみじを楽しんで、年末まとめて掃除しようと思います。
芽吹きからずっと私に喜びを与えてくれたモミジ。最後はコンポストの材料となります。
教林坊のお庭の落ち葉もきっと山や庭に返されるんだろうな。