本鞍馬石って

今週は木を植えています。そしてまた楽しい石据えも。昨年から部分的に改修をさせてもらっているお宅。今回は敷地の東側の花壇を変えたいとご依頼いただきました。ありがとうございます♡

ディアガーデンのパートナーの造園会社さんとワイワイと楽しい現場。お庭が大好きなお客様も「作庭の過程を傍で見る機会は滅多にないから是非見ていたい!」とのことで一緒です。造園職人さんとも話せますし、徐々に出来上がっていく様子を観ることで庭に対する愛着も増すと思います。すごくいいことですので「どうぞどうぞ」です。

5mのヤマボウシ。植える前にざっと整枝剪定します。
花壇枠も作り直し、いざ植え込み!

こちらのお庭にはもともと巨大な本鞍馬石が据えられています(最初の画像にちらっと写っています)。お客様は鞍馬石がお好きなようで、今回も「小さいのでいいから鞍馬石、出来ればホンクラを据えて欲しい」というご希望がありました。

鞍馬石は京都の銘石として全国的な知名度を誇る庭石です。現在は鞍馬での採掘が少ないため、丹波や甲州地方で採れる鞍馬石が多く流通しています。それらと差別化して本場鞍馬産の石を「本鞍馬石」と呼んでいます。希少価値があるのでお値段は高めです。

鞍馬石は濃い茶褐色の落ち着いた色合いが特徴で、硬質な花崗岩ですが不思議と柔らかな雰囲気を漂わせていて、緑との相性は抜群なんです。雨が当たると更に侘びて見えます。

本鞍馬石、ご希望の場所に据えました。小さめの沓脱石?大きめの飛び石?どちらにも使えそうですが、ここでは景石として。玉葱状剥離が現れ、鉄錆色が全面を覆っていていい風合いです。
本鞍馬石ふたつめ。黒錆がシブく出てます。丸みがある形が面白いと思って選びました。なんか動物が寝そべってるみたいなんです。

上の画像の2石を据えました。本鞍馬石を据えるのは初めてです。

正直なところ申しますと。私は高価な石とそうでもない石の違いとか、希少価値のある石と山に転がっている石との違いなんて、あまり意識していません。石は何でも好き。地元で採れるもので、場や雰囲気、ご予算に合うものが一番だと思っています。

だから「みんな、ホンクラ♪ホンクラ♡って。こんなたっかい石、何がそんなにええんやろ?」ってな感じでした。でも石選びから据えるまでやってみて、いいところが感覚的にわかった気がします。存在がなんと言うか柔らかーくて、渋いのに内側からふんわり光ってるんです。あぁ・・・うまく表現できません。色がいいのかなぁ。ほんまにええ感じの石やわと思って。

とにかくお客様が喜んで下さったことが一番嬉しいの。「やっぱ、ええもんはええな!」って何回もつぶやいておられました。ふふふ。良かった!

完成の姿はまた改めてご紹介します。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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