ディスプレイガーデンのスギゴケ。補修&お手入れについて

このごろは植物の成長が著しく毎日庭に出るのが楽しみです。庭仕事も徐々に増えて。今週は前庭のスギゴケを補修しました。

前庭の花壇は30cm位土を盛っていて、道路に向かって緩やかに傾斜しています。たった30cmの築山ですが、低木や背の高い宿根草を上の方に植えると思いのほか立体的な眺めになります。建物の基礎が道路から70cmと相当高いので、隠す目的もあって、築山の花壇にしたのです。

その土止めにスギゴケを貼りました。面積でいうと2平米強。

7月頃の前庭全景。道路に向かって傾斜のついた立体的な花壇。

スギゴケを選んだのは、庭園材料として最も使われているこの苔を、実際育てるとどうなのか知りたかったことと、和の地被植物を洋風の草花と合わせるとどう見えるか実験してみたかったからです。

10年育ててみてわかったこと。

  1. 芝生ほど手間がかからない。
  2. 成長期の水管理をしっかりやればうまく育つ。早朝の水遣りが効果的ですが無理なら夕方以降でも。
  3. 結構伸びる。時々剪定すると若返ります(方法は後述)
  4. 花はあんまり可愛くない。気持ち悪い方かも。
  5. 水をやったときはすぐ反応して可愛い。ペットみたいに思えてきます。
  6. 洋風の草花とも意外と合う。

でも、いくら一生懸命手入れをしていても、ここは湿度が少ない街中です。成長し続けるとは限りません。宿根草の葉っぱが覆いかぶさった所や、乾燥しすぎた所、雨水がはけ難い所などは枯れてしまいます。見た目によろしくありませんので、数年に一度こうした部分を張り替えています。

庭はこうして都度修正して綺麗さを保つもの、足したり引いたりを繰り返して、何で根付かないんだろ?何でこんなに大きくなっちゃうの?あーでもないこーでもない、それが楽しいんです。

杉苔の傷んだ部分を張り替え。少し土を入れて築山のラインを整えたところ。木箱に杉苔が入っています。

スギゴケは毎年上へと伸びつづける苔。15cm位伸びたものを見たことがあります。それだけ伸びると倒れて下から新しい芽が出にくくなります。そこまで伸びる前に剪定しましょう。時々底の平らな靴で苔踏みを行うと徒長を抑制する効果があるそうです。

伸びすぎたら、春に花が咲いて胞子が散ったあと切り戻すと、梅雨ぐらいから新しい芽が出てきます。剪定したばかりのときは、茶色い部分が目立ち緑になるまでしばらくかかりますが、そこは我慢。水やりをしてあたたかく見守ってあげましょう。

杉苔敷き詰め完了。そのうち茶色い部分からも新芽が出てくるはずです。

杉苔以外の苔もいっぱい混ざっちゃってるけど、あんまり気にしないことにしました。

私が作った庭なのに、私のチカラでは変えられないこともたくさんあります。変えられることもあるけれど、どうしようもないことも本当に多い。気候天候気温などは元より、急に樹勢が弱って虫が付いてしまうこともありますし。

それでも庭としてみると成長しているのです。私も神経質にならず臨機応変になって庭と向き合えるようになり、少しは成長したかなと。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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