ディアガーデンが設計監理を担当させてもらっている広ーいお庭の工事が大詰めを迎えております。昨年の秋頃着工したのですが冬は豪雪のために一時中断、雪解けを待って工事が再開されました。
こちらの現場は県外ですので、工事監理は要所要所で伺っております。これまで造成工事、高木の植栽工事等、庭の骨格を作る工程に立ち会ってまいりました。そして今週はいよいよ仕上げの植栽工事がはじまるとのこと、久しぶりに現場に向かいました。
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今回は、主に低木や宿根草の植え付けや石工事の監修、ディティールの確認&修正等してきました。
3ヵ月ぶりに現地に立つと、既に一面芝生が貼られており、泥だらけだった前回の印象はどこへやら。すっかりお庭らしくなっていました。そういえば、長靴が抜けないほどぬかるんでいたっけ。何回コケたか?ってくらい歩きにくかったのになー。芝生はまだ養生中なので、そおっとしか歩けないけれど、本当はスキップしたい気分でした。
今年の冬はものすごい風雪だったようで、立ち姿にこだわって植えた木が何本か傾いていました。そんなところも修正せねばなりません。
でも桜の木は可愛らしい花をつけていて、あぁ無事冬を乗り切ったのだなぁとホッと一安心。たくさん植えたからここでお花見出来ます。これから年を経るごとに大きく咲きそろっていくことでしょう。
今回一番時間を割いた場所がこちら↓「新宿根草主義の庭」の見本となるような花壇で、ここだけでナント500本程の苗を植えていただきました。500ものポット苗を植えるともなると、事前に品種ごとに植えるエリアを決めておかねば配置することもままなりません。
予め作成しておいた図面に従って、地盤に直接石灰でマーキングしていきます。石灰は土壌のPH調整に使うくらいですから、植物にとって害が出るものではありません。作業する方にとっても白はクッキリと見やすく、書いた線は消そうとしなければ消えないので、とても扱いやすいの。
ベテランの監督に教わって以来、いつも現場ではこの方法です。
実は配置前に秘密兵器を使いました。今から書くので秘密じゃないんですけれど・・・。
それは「バイオゴールド バイタルV-RNA」という活性剤で、今回特にこだわって使用したものです。
木と違って根の小さい草花は、夏場の水切れがとても心配です。だから植えつけ後、速い段階で如何に大きな根を張れるか?そこがこの庭では、重要なポイントになってくると思っていました。深く根を張れば、地表面の乾燥に影響されにくくなりますからね。
よい方法はないか、ガーデン&プロダクトデザイナーの吉谷桂子先生にご相談すると、いい活性剤をご紹介くださいました。昨年の淡路のガーデンセミナーでのことです。
吉谷先生の管理されている庭園でも日常的に使われて、かなり手ごたえのあるものとのこと。しかも日本製で自然由来成分で出来た活性剤です。早速取り寄せ、まずはディアガーデンで使ってみました。まだ完全に季節が巡っていないのですが、薬害の心配はなさそうです。効果に期待してこちらでも使うことにしました。
現場で、この活性剤を規定倍率に水で希釈し、苗のトレイごとその液にどぶ漬けしてから植えつけていただくようにとお願いしました。
造園会社様には液を入れる大きな桶を用意してもらったり、ひと手間余分な作業になるのですが、嫌な顔をせずやっていただけました。むしろこの活性剤に興味津々という感じで、初めは一部の苗だけと思っていましたのに、結局植えるすべての苗に活性剤をやってくださいました。感謝です。
次々とトレイで運ばれてくる活性化された苗を設計に従って配置するのは私の仕事です。もう1年以上前に考えた植栽デザインですが、完成の姿は頭にありますし、苗の種類によって必要な株間のスペースも全て把握しています。植える方達の手を止めないように、スピード感を持ってどんどん配置していきます。
苗は草花に慣れた女性作業員の方がひとつひとつ丁寧に植えて下さいました。植物を育てることが大好きだそうで、珍しい苗に目を輝かせておられました。その様子がとっても可愛らしかったです。
長くなりましたので、次回につづきます。次はここの近くの景色も見ていただこうと思います。