GW明けから、県外某所で造園工事が始まりました。
ディアガーデンでは地元滋賀県以外でも、設計をご提供し、ご要望があれば工事監理もしています。今回は近隣県で何とか通えますので、設計~施工までを請け負うことになりました。出張施工を承諾してくださったパートナーの職人さんと共に、日々楽しく作庭しています。
関西との違いは色々な場面で感じますが、庭関連では客土がちょっと違いました。客土とは現状土を嵩増ししたり、改良目的で追加する土のことで、関西では真砂土が使われます。この現場で使われていた客土は、同じ真砂土でも、かなり砂っぽいものでした。へぇ、ちょいと県をまたぐだけで変わるものだなぁと思いました。
とはいえ、それが問題ではなくて。これはどこでも言えることですが、宅地造成の土の状態や建築環境に合わせて土壌改良することが大切なのです。
現状土の水はけがよければ、十分にほぐし客土を足し土壌改良を施し、根腐れしないよう少し高植えにします。水はけが悪ければ、暗渠排水(地下に透水用の管を通す)を施すなどして空気層を作り地中の湿気を抜くような施工を足します。
水はけが良いか悪いかは、土の質や土地柄(滋賀県では大体粘土質とか)でおよそ分かりますが、実際に深めの穴を掘って水を貯めて、どれくらいで抜けるか実験したりもします。そのほか、必要なら土壌の酸性度を計ったりも。
とにかく景色づくりの前に何より大事な土づくり。景色として見えてこない部分の作業があります。
こちらの場所は湿気が抜けにくいので、職人さんの提案で念をいれた対策をしています。
植栽スペースに沿って溝を掘り、その所々に菅も立ち上げ、砕石やパーライト等で埋め戻すという施工をしていただきました。
溝は根が入り込める空気層を作り、縦穴にて地中の湿気抜きが出来るという造作です。溝の最後は側溝に抜けるパイプに繋げます。
これに似た方法で、植穴ごとの対策方法もあります。DOパイプというパーライト入りの筒状の商材を予め木の植穴にセットしてから植え、パイプの先端を地表面に出すという施工をしたことがあります。施工は手軽ですが、材料代がそれなりにかかります。
施工方法は違っても、どちらも外気と排水層をつないで、根に酸素を供給し地中の水分量を調整くれるもの。
これにより木が早く根付き成長の助けになってくれたらと期待します。健康な木は手が掛かりませんし何より美しい景色を作ってくれます。
さて本日、九州北部~東海地方が梅雨入りしたとみられる、との報道がありました。
このような曖昧な言い方はあくまで「速報値」だから。間違っていたら秋に修正されて記録されるのだとか。この判断が正しければ、5月の梅雨入りは10年ぶりだそう。
ちょっと前までは、今年の梅雨入りは遅めとか言ってたのに、この変わりようは何なん?!
無情な天気に思わず悪態づいてしまいます。梅雨までに工事を終えたかったのに~(泣)