6月の庭

梅雨入りして、週の半分は雨ですね。

関西では梅雨入りが早かったため、本来なら終わらせておくべき庭仕事「切り戻し」「透かし剪定」が未だ出来ていない方も多いのでは?

6月4日撮影の前庭。アスチルベの蕾があがってくると梅雨入りというのが例年で。

春に咲いた株は、梅雨前に半分~2/3くらい切り戻しするのが理想です。切り戻さないと、長雨で倒れたり、夏場風通しが悪くなるため病害虫が発生したり、徒長するなど、残念な姿になるかもしれません。茂り過ぎた木々も剪定の対象です。

切り戻す時は、切り詰めた感がないようにご注意ください。地面と平行にスパン!と切らないように。枝は次の小芽を上手く生かして剪定しましょう。

出来るだけ柔らかい姿に見えるように切れたら、庭全体の眺めとして違和感が少なくなります。

上の画像を撮影して2日後のアスチルベ。短い期間でだいぶ色付きましたね。柔らかくて素敵な色合いでしょ?このアスチルベは花後グリーンに変わる品種。まだしばらく鑑賞できますので、切り戻しは夏後かな。

ディアガーデンの庭では、サルビアネモローサや丁子草、フウロソウなどの宿根草やシモツケほか低木の切り戻し。あと高木の透かし剪定が対象です。

フウロソウはいま可愛らしく咲いているので、バッサリ切り詰めるのは正直惜しいのですが、既に間延びして倒れかけているため、心を鬼にしてやらねば・・・と思いつつも未だ切りかねています。

高木の透かし剪定は、そんな感情移入はなくサッサと出来るのにね。

サルビア・ネモローサ(手前)もシモツケ(奥)も盛り。
6月10日撮影。手前に見えるのがフウロソウ。満開で可愛くて爽やかで・・・切り難い。奥に見えるアスチルベは完全にピンクになりました。

そんな葛藤はあるものの、春の景色が一掃されて空間が出来たら、次の主役が引き立ちます。

アジサイです。

小さな庭ですが、西洋アジサイ「アナベル」、山アジサイ2種、秋色アジサイの計4種類育てています。

庭の印象も咲く花色で随分と変わります。

ディアガーデンの庭では、春の初めは白が多く、それから梅雨前までは濃いピンクが多め。徐々にブルー系が増えていき、これからは更にライムグリーンが加わって涼しげな配色に変わっていきます。

切り戻しによって特定の花色をなくせば、庭の印象を操作できます。

テラスのアナベル。今年は過去最多の蕾をつけてくれました。間もなく真っ白になります。夏には再びライムグリーンにもどります。

さて、これから梅雨本番。

仕事の段取りは難しくなるのですが、個人的には雨の日も好き。

晴れの日に現場作業があると結構頑張ってしまうので疲労が溜まります。日差しが眩しいのも苦手だし、風が強い日は体力の消耗が特に激しい。だから雨が降ると物理的に休めるから、ある意味ホッとするというか。

特に雨の音を聴きながら、庭を眺めつつ部屋で寛ぐ時間が私にとっては最高の癒しです。

涼しくて、暗くて、空気が潤っていて、静かで、心と体のダメージが修復されていくような感じがします。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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