一年で最も寒い2月になりました。新しい暦が始まり、立春・第一候「東風解凍(はるかぜこおりをとく)」を迎えます。
東風といえば春の代名詞ですが、今週はまたもや最強寒波到来とかで、列島は底冷えしています。そんな寒極まるこの時期に仕込むと良いとされるのが味噌です。
今年初めて「手前味噌」作りに挑戦しました。
「手前味噌ですが……」とは、恐縮しつつも自慢したいときに使う言葉。味噌は昔、どこの家庭でも自家製でそれぞれ家の味があり、その出来栄えを自慢しあっていたことに由来します。
慣用句になるくらいですから、自分で作るのはごく当たり前のことだったんですね。それが今は買うのが当たり前になっています。
私は毎日お味噌汁がなくても良いタイプで、味噌に対しても大してこだわりもありません。それなのに仕込みたいと思ったのは、義姉からもらった手作り味噌がきっかけです。
その味噌で作ったお味噌汁は風味がまるで違っていて、何かもう一種類出汁を入れたかのような?深みのある味になり、手作り味噌ってすごい!と思いました。
仕込みは、豆を水に浸して柔らかくする工程も含むと、丸2日かかります。
材料も工程も単純だけど、梅仕事と同様に、気持ちに余裕がないと上手くいかないのかもしれません。どちらも素材に自分の都合を合わせて仕事をし、そして最終的には自然が仕上げてくれるものだからです。
保存食を仕込む作業は、庭づくりと似ているなといつも思います。
仕込んで直ぐの味噌は柔らかなベージュのペースト。これが麹と手の常在菌やらが合わさり発酵して、何ヶ月か後には茶色い味噌になるのですね。
梅干しもそうですが、常温保存で腐らないのが本当に不思議です。
昨年夏に仕込んだ梅酒と同じ棚で保管して、これからしばらく様子見です。
何年かかけて熟成させることも出来るのですが、多分待ちきれない。梅酒は夏に、味噌は年末にひとまず完成ということで、いただくつもりです。
美味しく出来るといいな。