本日は久しぶりにディスプレイガーデン(ディアガーデンの庭)の様子をアップします。
前回ごらんいただいたのが6月。梅雨入りまもない時期で、夏の花がたくさん咲いていました。→コチラ
今は生垣の柊木犀が咲いて、良い香りが辺り一面に漂っています。紅葉が始まって、秋の七草のひとつ、藤袴が咲き始めました。
秋は夕暮れ。
暖かな光が斜めからお庭を照らす僅かな時間が、泣けちゃうほどに美しくて。
色づきかけた葉は一段と鮮やかに見えますし、淡い陰にも情緒があります。
今年の夏は記録的な猛暑でした。秋が来ても暑さはおさまらず、植物にとっては過酷な年だったと思います。
自分の身を守らねばなりませんので、庭の手入れは最小限に止めましたが、植物達は難なく生き延び、こうして穏やかな時間を迎えることが出来ました。
ディスプレイガーデンは、植えて10年近く経つ植物が殆どですし、自生種や乾燥に強いグラス類を選んで植えていることもあって、水やりの回数は年々減っています。今年は殆ど自動散水装置任せでした。
ワイルドに伸び伸びと茂らせる植栽デザインは自然に見え、かなり省メンテナンスです。ディスプレイガーデンの場合は、季節の変わり目に剪定するとか、軽く支えをしてやるとか、そんな程度です。
私は花姿よりも草姿に重きを置いてデザインをするので、紅葉というダイナミックな変化が楽しめる秋の庭が大好きです。
紅葉するのは樹々だけではありません。草も赤や黄色に染まります。その様子は「草紅葉(くさもみじ)」と表現されることも。枯れ色も淡いベージュからブロンズに近い色までいろいろあって本当に美しいと思います。
草姿を重視するのは、年間を通して見るとその期間の方が長いからです。花は一時的なもの。私の中ではおまけなのですが、花の咲かぬ植物は殆どありませんから、花の雰囲気や色、咲き方などは吟味します。
ディスプレイガーデンは、自然な雰囲気の庭を目指しているので、華やかな種は避けて、楚々とした花、野趣溢れる花が合うと思っています。和洋関わらず周りの植物に合うもので、ふんわりとした咲き方をする品種を選んで植えています。
それらはいつの間にか次の花に移り変わっていて、盛りが過ぎても余韻があるというか、趣を残すのです。汚くなったから新しいのに植え替えなきゃ、という仕事がかなり減るわけです。
華やかな花は衰えたとき、鑑賞に耐えられません。常に花摘みをせねばなりませんし、入れ替えも頻繁にせねばなりません。この手間を楽しめる人、体力気力のある人向けかなと思います。
高木、低木、秋撒きの種や宿根草、秋植え球根を植えるのには最適な時期です。
このような植栽デザインが、亜熱帯化する日本の庭づくりのヒントになればと思います。
この頃は切り花が長持ちするようになって嬉しいです。
庭の藤袴と斑入りイトススキを摘んで、スーパーの切り花コーナーにあったリンドウや小菊、ヒペリカムと一緒に活けてみました。
庭の植物をちょっと加えるだけで、そのお宅に馴染むアレンジメントになります。庭の植物は大抵ちょっといびつなので、アレンジメントに自然な動きを足してくれます。
そんなことで、適当に活けても、何だかいい感じになるんですよね。