鎮静の青い花

梅雨の最盛期を迎え、ディスプレイガーデンの前庭では青い花が次々と咲いています。

今の時期主役の秋色アジサイの青に合わせて選んだ花たち、青といっても純粋な青花は滅多になくて、厳密には青紫なのですが。

青や紫の花を見ると、涼しさ・爽快さを感じると同時に、落ち着きを感じます。鎮静効果があるんですね。葉の緑には同じ様に精神を安定させたり身体を癒す効果がありますので、青や紫の花を咲かせる植物を見ると相乗効果でとても心が静まります。

実際、前庭を手入れしているとそんな色の鎮静効果をとても感じます。葉や花の柔らかな感触、湿った土の香りと共に上品なフジバカマの香りが漂って。五感は研ぎ澄まされているのだけれど、心や頭はとても静か。

慌ただしく先の段取りばかりしている私に「今を生きて」と植物が言ったような気がします。

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今年は、秋色アジサイ「マジカルシリーズ(ブルー系)」がたくさん花をつけてくれました。

昨年は弱剪定にとどめましたので、樹高葉張りともにこんもり茂って、花芽も沢山ついたみたい。嬉しいな。

秋色アジサイという品種は元々切り花として作られた品種だそうで、枝が太くしっかりしています。名にあるように花色がシック(秋色)に変化するのも特徴的なのですが、それを愛でようとすると来年の花が少なくなってしまいます。

秋色の花と来年の花付きとを天秤にかけて、色々と試行錯誤してきましたが、今は来年の花付きを優先させて、他のアジサイ同様7月中には切り戻しています。秋色は切り花として僅かですが楽しめています。

紫陽花は今月中旬には切り戻さねばならないので、お楽しみはあとわずか。思い残すことなく愛でようゾ。

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フウロ草「ブルーサンライズ」が今年もふんわり咲いて。昨年の眺めとほぼ同じですけれど。
ブルーサンライズは黄緑色の葉なので青花が沈んで見えないという素晴らしい品種です。
本当にかわいくてねぇ。

青系の花は、他にも斑入りのギボウシやサルビア・ネモローサ・カラドンナが見頃です。

そのうちバーベナ・ボナリエンシス(三尺バーベナ)も咲くはずなんですが。

斑入りの葉のギボウシ。薄紫の花が楚々と咲いて。

庭で沈みがちな青を見えるようにするためには、白や淡いグレーなどの背景が欠かせません。

白い穂を上げるグラスも何気に青を目立だせる役目があります。

細かな計算が必要な厄介な青花、でもほとんどの人が好きな色なんですよね。

サルビアネモローサ、どんどん咲きますので、しょっちゅう切り戻しています。

熱海市で発生した土石流災害に心を痛めています。

熱海は5年前、2016年の夏に旅した場所。災害が起こった場所の近くも通ったように記憶しています。

海と山が近くて青と緑がいっぱいで、急な坂が多い土地という印象が残っています。とても癒されたあの場所がいま酷い状況に…。

行方不明の方の発見が進みますように、そして救助作業や復興作業をされている方々の安全を祈ります。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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