京都の街中を歩いていると見かける路地。こう言っちゃ悪いのですが、本当にどうしようもない狭さです。
それに手を掛けに掛けて作り込んで、粋に魅せてしまうところにいつも感心してしまいます。前に立つと、どうしようもない雑多な景色が見えなくなっていて、美しいものだけ見えるようなっています。ひとつの世界感が出来ていて引き込まれてしまいます。
家に帰ってから、引きで撮った写真を冷静に見ると、いかにして目を逸らされたのかがよくわかります。例えば先日伺った小料理屋さんのアプローチ。古いトタンの壁に挟まれた路地で、幅2mもあるかしら?という狭さ。普通なら素通りしそうな薄暗い場所ですから、まさかその奥に入口があるなんてと思います。そこを路地として素敵に魅せておられました。
木戸のある小さな門、壁に杉板を貼り、足元には御影石を敷き詰める。更に那智黒石の上に、雰囲気ある照明を点々と配置。それらに導かれるように視線を奥に移すと、橋の欄干のような石のオブジェと小さな緑が。のれんに誘われて引き戸の奥の空間に興味津々!てな具合です。過不足ないさりげないデザインに、プロのセンスを感じます。日々履き清め、水を打っておられるので、薄暗い場所なのに、清潔感がある。さすが!
こういうデザインは、案外個人邸でも応用出来るもの。設計士(デザイナー)と職人と住まい手の心意気があれば。素材選びと統一感がポイントでしょうか。上の画像は、6区画に分かれた住宅地の敷地境界線に沿って路地を作った例。広く使えることで、殺風景になりがちな場所でも季節の営みの感じられるようになります。
また、狭いアプローチでも、壁や生垣を設けるなどして背景を整えることで、そのお宅独自の世界感を作ることは可能です。まるでお店のようないい雰囲気になりそうです。狭いからこそ出来ることもある。そこが設計の面白いところですね。
最期に、折角なので、藤本さんのお店のインテリアとお料理の一部を紹介します。親しい人を連れて行くときっと喜ばれるお店。オススメです。