初夏のディスプレイガーデンより近況諸々。

今週はディアガーデンの前庭に植えたエゴノキの花が見事でした。

事務所の扉や窓を開けると、木の花らしいスッキリとした香りが漂ってきて、それはそれは贅沢な心地。

前庭にあるエゴノキ。満開。見事でした。
中から見る。ここはキッチンの小窓。朝夕この眺めを堪能しています。

窓際に植えてあるので、室内からの眺めがもう!

鳥の鳴き声しか聞こえない静かな早朝は荘厳な雰囲気、昼間は青空と白のコントラストが爽やか、夕日を浴びて少し赤味みを帯びた眺めは形容しがたいくらい美しいです。

降るように咲いて。

花蜂はこの花を目ざとく見つけて、忙しそうに飛び回っていますが、人はこんなに咲いていても案外目に入らないようです。ご案内して初めて「オォーーーッ!」って感じで驚かれます。

桜と違って葉っぱの裏側に垂れ下がるように咲くからでしょうね。私だけ眺めるのはあまりに勿体ないのでここでご紹介しました。

ところで白い花って、どうして白に見えるかご存知でしょうか?

アサガオの花を水の中ですりつぶすと色水が出来ますが、白い花では同じように出来ません。白い色素はそこにないからです。

花が白く見えるのは花びらの中に小さな気泡がたくさんあるからだそうです。気泡に光が当たると白く見えます。波しぶきやビールの泡が白く見えるのと同じ原理だというと分かりやすいかしら。だから白い花びらから、その空気の泡を追い出したら、白色ではなく透明になります。

無色の色素しかもたない花たちは、そのままでは虫に気づいてもらえません。そこで小さな泡を込めて白く目立たせるという知恵を働かせたのですね。そういう風に進化したというか。

エゴノキの花、虫に見つけてもらえて受粉に成功です。この蜂とのお話、また改めて書きます。

植物の知恵にはいつも感服します。

そんなことで首尾よく受粉し実らせることが出来たエゴノキの実。土に落ちると結構な確率で発芽しますから抜くのが大変です。まずくて食べもできないので、たくさん生っても私は全然嬉しくないのですが。

そこは人は蚊帳の外というか。植物と虫たちの営みのおこぼれをもらっているだけの存在ですから、文句は言えません。

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道路沿いに建つ我が家(兼事務所)は、大きな窓は裏側に設けており、表側は小窓しかありません。中でもキッチンの小窓は一番道路に近いので、目隠しと防犯を兼ねてエゴノキを植えました。土も少ないし、日当たりも悪いからあまり育たないだろうと思っていたら、何故か気に入ったみたいで、よく育ってしまいました。

場に合わせて、小さくするために、数年に一度幹の代替えを行っています。太い幹を根元からバッサリ剪定してしまうという荒業です。

剪定といえば、

庭木、特に寒さに弱い常緑樹は、今からが剪定適期です。夏前にスッキリさせておくと、見た目も涼やかですし、病害虫対策にもなりますからおすすめです。

ディスプレイガーデンの常緑樹は、前庭にアオキ、生垣のヒイラギモクセイとイヌツゲがあります。

先日、ひとまずアオキの剪定を済ましました。ビフォーアフターをご覧ください。↓

前庭のアオキの剪定前後を比較。かなりスッキリしたでしょ?和庭だったらもっとむしってるところですが、ウチは草花と一緒なのでこんなもんで。

低木ですが、大きな葉がたくさんつきます。苗木を植えて10年以上経つので、何もしないと隣に植えている植物を覆ってしまう程モリモリと茂ってしまい、かなり嵩高く暑苦しい見た目になります。

まずは不要な枝を切り戻し、折角出てきたきれいな葉っぱも半分以上は千切ります。

アオキの枝先の細い部分は手できれいに千切れます。葉っぱは千切るというよりむしるという方が伝わるかしら?これが結構ストレス発散になって楽しいです。少々失敗しても問題ありません。むしってむしって、むしりまくり!

アオキには気の毒だけど、庭木としては、ちょろっと葉っぱが付いているくらいがカッコいいって、最近思います。

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宿根草が勢いよくなってきたディスプレイガーデン。アジサイの花芽も順調に育っています。

これから梅雨までは輝きの季節。庭のあちこちが命のきらめきで溢れています。

ガーデンライフをめいっぱい楽しみましょうね。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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