今週末に植栽工事予定の現場。琵琶湖汽船(株)今津営業所(通称「今津港」)の建築工事は仕上げ段階、そろそろディアガーデンの出番です。
めまぐるしく変わるこの頃の天気、どうかなと気になっていましたが、晴れそうで良かった。
植栽工事は雨でも出来なくはないけれど、仕上げがどうしても荒れてしまうから、本当言うとやりたくない。雨に濡れるのが嫌とかそんな意味ではなく、完璧な仕事をしたい、美しくお引渡ししたいという思いからです。
老朽化した以前の建屋。それが・・・なんということでしょう!?素敵な建物に大変身~~~。
今津港のある高島市は滋賀県北西部にあります。市内の大部分を森林が占めており、それらは琵琶湖に注ぐ水の約3分の1を生み出しています。自然豊かで日本ナントカ百選なる景色がいっぱい。今津港はそんな観光の拠点であり、琵琶湖に浮かぶ竹生島・宝厳寺への玄関口ともなっています。
そんな環境の中、どんな雰囲気の植栽が合うのか?植栽場所は出入り口前の細長ーい花壇です。建築家のご希望は、自然風な植栽で、高木数本と手のかからない足元の緑・・・種類は私にお任せで、という感じでした。
それで、落葉高木やミツバツツジ、ヒサカキ、山アジサイなど高島の山にも生息する素朴な低木と、小型のススキ、ハナセキショウ、ギボウシ、タデ科のペリシカリアなど自然風で丈夫な宿根草を植えることにしました。
設計図という程でもないけれど、配置と株数を確認するためにざっとこのような図↓を作成します。
年々亜熱帯化する日本。梅雨は雨期だし、夏は植物も人も過酷すぎる環境に、災害級の台風が去ると、ようやく庭にも平穏が・・・といったところでしょうか。庭を愛でる期間が年々減っている気がします。
それもあって、ここのところ私はよりローメンテナンスな自然主義的な植栽デザインを追求しています。ディスプレイガーデンで実験し、お客様のお庭にも提案したりして、検証中ではありますが、自生種を主にして、あとは自生種由来のものを見栄えするよう少し加えるパターンが出来つつあります。
目指すは「自然の感触を持ちながらも人の美的感覚を取り入れた景色」それは一見地味で、花があるのが庭だと思っている方からすると「花が咲いてない!こんな雑草を植えて!」なんて言われそうですが。風に揺れるようなさり気なさ、スマートな地味深さを味わって欲しいのです。
こまめな手入れや水やりをせずとも、年間通してのボリュームと四季折々の眺めを実現するには、身近で当たり前に生えている自生種が欠かせない。それを如何に素敵に見せるかが考えどころです。
最近では、自生種由来の珍しい園芸種や外来種も手に入るようになりました。見た目はちょっと華やかです。ガーデニングに興味のある方ならきっと「これ何?」って目を惹くんじゃないかしら?でも性質は自生種に近いから育てやすいの。
ではでは、次回は工事の模様をUPします。