そろそろ庭仕事スタートです

三寒四温の「温」のときを逃さないように、諸々調整して、そろそろディスプレイガーデンの庭仕事スタートです。「もうとっくに始めているよ。」という方もおられるでしょうか。作業の参考に書いてみます。

まずは寒肥。実は、年が明けてからドカ雪が続いたこともあり、寒肥をやるタイミングをうっかり逃してしまって。ギリギリですが、なんとか済ませました。寒肥とは、冬の休眠期に与える肥料のこと。時間をかけて分解されるので、春先に土に栄養が行き渡り、新芽や花芽の増量に繋がります。有機肥料がオススメで、手近なところでは油粕。

寒肥をやりながら、落ち葉や傷んだ葉、枯葉を取り除きます。新芽に日が当たりやすくなり、見た目も美しくなると思うので、私は丁寧にやります。樹形が乱れたものがあれば整えたり、鉢増しが必要なものは植え替え、などなど、一旦手をつけ始めると、やることはどんどん出てきます(^_^;)

ディスプレイガーデンの葉蘭手入れ前の状態。年末に掃除しても、3ヶ月経つとまたこんな風に落ち葉が堆積してます。
根元に積もった落ち葉を取り除いて、傷んだ葉を根元から切り取り、スッキリ!宿根草なら緩効性肥料はばらまく程度でも良いかと。白っぽいのが肥料です。

今日は「啓蟄」。そろそろ虫が這い出してくるころです。ディスプレイガーデンでは、一番困った存在である「イラガ」を少しでも減らすように、繭(蛹)を見つけたら即座に取り除くようにしています。繭なら、あのピリッとくる痛みはないので安心して挑めますよ。よくよく見るとわかりますので、やってみてください。

付いている場所は、木とは限りません。木の近くの外壁やブロック塀で雨風が当たりにくいような場所に付いていることも結構あります。見えにくい場所に付いていますので、かがんだりして見てくださいね。

○で囲んだところ。このような前衛アートちっくな模様がついた殻が、イラガの繭です。結構しっかり付いていますから、剥がすとき、高いところでは足元の安全を十分確保してやってくださいね。
こんなのも。
これは見ての通り抜け殻です。

繭を見ていると、一個一個模様が違って結構面白かったりします。中にはとても凝ったものもあり、変に感心したりして。いやいや、この一匹が卵を産んだら、どれだけ増えるだろうか?と考えるだけで空恐ろしい。感心している場合ではありません。

暖かくなると、まずハエやアブのような虫が出てきますが、この虫たちは黄色い色に敏感だといわれています。虫媒花と呼ばれる種の植物たちは、それに合せて黄色い花を咲かせて、虫を誘い、受粉を助けてもらうようです。春に黄色い花が多いように感じるのは、こんなことも関係しているのでしょうか。

以前ご紹介した菜の花を生け変えてみました。サラダみたいに美味しそうです。日が当たると香りが立つので、こんなに少しでも、部屋は春の香りで満たされています。

虫が嫌いで、なかなか庭づくりに手が出せないとおっしゃる方も多いようです。生理的にムリ!という方に押し付ける訳にはいきませんが、地球上には人よりも圧倒的に虫の数が多いので、避けるのは本当に難しいです。

虫たちがいないと、多くの穀物や野菜、果物などの収穫が困難になることは、普段の生活ではあまり意識しません。虫は植物を増やす働き以外にも、食物連鎖の一角を担っていることもあり、いないと生態系に大きなダメージが出ます。逆に人間がいなくても、他の生物が困ることは恐らくないでしょう。こう言っちゃ、身も蓋もないけれど、人間がいない方がむしろ地球環境にとってはいいかもしれないと思うこともあります。

地球は人間のためにある訳ではありません。小さな虫も地球で一緒に生きる仲間と思えませんか?それに虫は人の何十分の一の寿命しかないのです。私は、元々好きでも嫌いでもないという立場ですが、虫の一生を知ると、なかなか感慨深いものがありました。

虫とうまく付き合いながら、庭をいい状態に持っていけるようにできないものか?といつも考えています。これからもときどき虫の事を書きます。エグい画像は載せないように気をつけますので、是非読んでみてください。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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