GW庭めぐりレポート-2 

前回につづきGWの庭めぐりレポートです。今回は浜松市をめぐっています。

浜松市、とりわけ奥浜名湖「井伊谷」といえば、2017年NHK大河ドラマ「井伊直虎」でおなじみです。この旅行を予約してくれたのは大河ドラマを全く見ていない夫なので、それを目当てに来た訳では決してないのですが・・・。

よく見ると、宿から車で20分とかからない場所に直虎ゆかりの龍潭寺(りょうたんじ)があるではありませんか!珍しく今季はドラマについていけている私。このお寺には小堀遠州作の池泉鑑賞式庭園もあるとのことで、庭めぐりも兼ねて連れて行ってもらいました。

龍潭寺の山門。1656年(明暦2年)建立。巴瓦に室町期の古瓦が見られるという。大層古い山門です。

龍潭寺は井伊家の菩提寺で、直虎はこのお寺で出家し次郎法師を名乗ったとされています。元祖 井伊共保公より24代 井伊直政公までの墓地も境内に在ります。そういう場所ですから、やっぱりね。直虎一色で人がいっぱいでした(^_^;)

境内はまさに新緑の爽やかな雰囲気。こじんまりとまとまったお寺で、庭もしっかりお手入れされて目に気持ちよかったです。前日はフラワーパークで花をいっぱい見て興奮気味だったのが、こちらでは緑一色で目が休まるというか、まったり見られるという感じ。

本堂。屋根に井伊家の文様があります。橘の方が家紋、 井桁の方は、旗印(はたじるし)。旗印は地元滋賀でもしょっちゅう目にしているので、よくわかります。
本堂南側から見える庭園。築山のデザインの妙でとても奥行を感じます。
小堀遠州作・龍潭寺庭園。セオリーを全て抑えた見本のような庭ということで、昭和11年国指定名勝となりました。本堂北側に位置し座敷から見るとこのような素晴らしい眺め。

龍潭寺庭園とは

小堀遠州作。江戸時代初期に本堂北庭として築かれた池泉鑑賞式庭園である。
中央に守護石、左右に仁王石、正面に礼拝石(坐禅石)が配され、更に池の型が心字池となっていて寺院庭園として代表的な庭である。
数多くの石組みと築山全体で鶴亀が表現されている。 (龍潭寺ウェブサイトより)

横から見たところ。こういうデザインは私の地元のお寺にもあるし、京都でも見かけます。見慣れたデザインなだけに、落ち着いて眺められるという気もします。背景と一体となって立体的な構造なのがお分かりいただけるかと。

因みに、龍潭寺は滋賀県彦根市にもあります。井伊直政が佐和山城を与えられたのを機に、井伊谷龍潭寺第5代の昊天(こうてん)禅師によって佐和山の西の麓に移建開山されたものです。私はまだ行けてませんが、池泉鑑賞式庭園と枯山水庭園があり、やはり小堀遠州が関わったと言われます。

しかし、小堀遠州さんて一体いくつ庭を監修されたのか?この時代の庭といえば、必ずといっていい程彼の名前が挙げられていますよね。実際はお弟子さんが作ったものも多くあるだろうと思いますけど。

材料となる良い石さえあれば、セオリー通り場に合わせればいいので、腕のある庭師さんなら可能でしょう。逆に言うと、セオリーというか、デザインのストーリーがしっかり確率されているからこそ出来ることですよね。それを作った方がすごいと思います。

調べてみると、彦根市の龍潭寺には造園を行う僧侶を養成する「園頭科(おんずか)」が置かれ、これが日本の造園学の発祥とされているそうです。龍潭寺は「庭」を学ぶための場所、まさに「庭の寺」でした。ここで造園学を学んだ僧は、日本各地の禅寺庭園の施工を行ったと言われます。むむっ!俄然興味が湧いてきました。これはいってみてこなければw

サラサドウダンのとても可愛らしい花。

庭園めぐりのあとのランチはコレ↓↓↓ 浜名湖に来たら、やっぱり「うなぎ」ですよね。あちこちにうなぎ屋さんがあって目移りしましたが、今回は「うな吉」さんでいただきました。

特上うな重!Σ(゚∀゚ノ)ノキャー めっちゃ香ばしくて、食感はフワフワもちもち。醤油の味が生きたあっさり目のタレで上品なお味です。食べ終わった時はまだ営業時間内でしたが、完売とのことで営業終了されました。間に合ってよかった~。

次回はこの旅ラスト。また違ったタイプのお庭めぐりの様子をレポートしまーす。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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