和の庭小物を作りました-井筒蓋編

仕事始めから数日も経つと、新年のムードはどこへやら。もういつもと変わらぬ調子で、いや、いつもに増して?精力的に動いてます。沢山お休みをいただいたし、気力十分です。

さて、2019年最初の現場は京都・祇園の和菓子屋さん。舞妓さんや芸妓さんの置屋が軒を連ねる街中にあります。

その店舗の改装設計を担当された建築家さんに付いて、緑を添える役目にあずかりました。正面に新しく出来た小さな花壇に、何種類かの植物を植え、移動できない水道メーター類を隠すための仕掛けとして、井筒のミニ版を作ります。

井筒とは字の通り井戸の囲みのこと。石やコンクリートで出来ていて、上に竹を棕櫚縄で編んだ蓋を被せてあるのが一般的です。井筒は、庭の添景物(オブジェ)として用いられる場合も多く、井戸がなくてもこれを置けばあたかも井戸があるかのようで、結構な存在感になるのよね。

というわけで、この現場でも、水道メーターを隠すという目的の他に、添景となるように据えるのです。

井筒と蓋。井筒は四角いものと丸いものがあります。蓋は竹で作る場合がほとんどです。こちらは本当に井戸があるのか?庭のオブジェとしてデザインされたものか?どちらでしょうね。

そんな井筒蓋の件で、知り合いの竹屋さんへ行ってきました。庭の竹垣はもちろん、内装で壁に張るときや、ちょっとした小物、簾なんかも作っていただける老舗竹材店。竹のことなら何でも相談できる頼もしいパートナーです。

井筒というと普通は小さくても600mm角程はあって、その上にかける蓋も同じくらい。今回の現場はそれでも大きすぎるので、300×500mm程のmini版を特注で作ってもらいました。

青竹に棕櫚縄の色が映えてます。清々しいです。

可愛い竹の蓋が出来上がりました♡

庭で使う竹製品は、このように青竹で作ります。さらし竹(ベージュぽい竹)は内装や竹細工などには合いますが、外で使うとすぐカビが生えて、腐るのが早いのです。青竹は、油分も多いので、幾分腐りにくく、外で使うのに合っています。

といっても自然素材なので、いつかは朽ちます。竹がお好きな方は、新年や何かのお祝事に合わせて、こまめに作り変え、その清々しさを味わうのです。色褪せてもいつまでも居るプラスチック製品と違うのは、そういう粋な使い方が出来るところ。

例えば、蹲踞に添える手酌や、筧、駒寄せ(犬矢来)なども、そんな風に時々新しくするものです。

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蓋のおもし兼飾りとなる物も作りました。そのことは、そのうちブログに書きますね。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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