春に向けて、いくつかの現場用に植える花苗をピックアップしています。これまでの経験から頭に浮かぶ植物に加え、ナーセリーのカタログを見たり、種苗店に足を運んだりして詰めています。
選んだ植物が実際手に入らないと意味がないので、流通しているかどうかは大事なポイントです。
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先日、種苗店に伺うと、温室の中は春の花の香りでいっぱいでした。甘いと言うよりはスッキリとした香りで、何とも幸せな気分になります。この香りはどの植物から漂ってくるのだろう?と鼻を頼りに探りながら花から花へ。この日はエニシダとアリッサムの香りが特に印象的でした。
華やかな外来種に目を奪われつつも、この日の目的は山野草の品種確認。そのコーナーに行くと、なんというかめっちゃ地味。他の外来種とは明らかに違う。まだ芽吹いておらず冬って感じのポットばかりです。
誰も見てないし(^^;
元日の抱負で述べたように、日本のモダンメドウを追求したい私としては、やはり自生種にこだわりたい。このような山野草の組み合わせも積極的に考えていくつもりです。その上で、侵略的でない外来種も、日本の自然と雰囲気に合うものならば、ゲスト扱いで合わせてもいきたい。
ほとんどの宿根草は3年程で成熟します。風通しをキープしつつ、ある程度密生させると、その期間に根っこ同士のコミュニティができて、ほかの雑草が生えないと言います。
以前読んだ「樹木たちの知られざる生活」の中にも書いてありましたが、山や森の木たちも根っこ同士のコミュニティがあるそう。地上部だけでなく、地下でもそれぞれが根で情報を伝えたり、時には養分を分け合ったりもしているのです。それが全く見えないし聞こえない鈍感な人間は、まさか~と思ってしまいますが、菌類やホルモン・香り成分などを使ってやり取りしてるそうです。微量でも感知できるのですから、すごい感覚ですよね。
森や山の木が手を貸さずともスクスク成長していくのは、住宅や道路に植えた木がそんな風に育たないのは、コミュニティがあるかないかの違いもあるのかも。私はそう思っています。
だから「出来るだけ植えないで」という要望がなければ、普通にたくさんの種類と株数を植えます。もちろんデザインということもありますが、コミュニティを作れるといいなとも思うから、色々な植物を混ぜてたくさん植えているのです。
人間でも一人ぼっちは生きにくい。動物も昆虫もそう。植物もきっと同じなんだね。