春に向けて植栽リサーチ

春に向けて、いくつかの現場用に植える花苗をピックアップしています。これまでの経験から頭に浮かぶ植物に加え、ナーセリーのカタログを見たり、種苗店に足を運んだりして詰めています。

選んだ植物が実際手に入らないと意味がないので、流通しているかどうかは大事なポイントです。

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先日、種苗店に伺うと、温室の中は春の花の香りでいっぱいでした。甘いと言うよりはスッキリとした香りで、何とも幸せな気分になります。この香りはどの植物から漂ってくるのだろう?と鼻を頼りに探りながら花から花へ。この日はエニシダとアリッサムの香りが特に印象的でした。

春に咲く常緑低木のエニシダが周りに素晴らしい香りを振りまいていました。こんなパフュームがあればいいのに!
球根植物のアネモネ。色々な品種が出回ってます。庭植えにオススメは断然一重咲きのもの。
一重咲の白いアネモネ「ドリーミングスワン」とリクニス「ホワイトロビン」の素敵な寄せ植え@浜松フラワーパーク

華やかな外来種に目を奪われつつも、この日の目的は山野草の品種確認。そのコーナーに行くと、なんというかめっちゃ地味。他の外来種とは明らかに違う。まだ芽吹いておらず冬って感じのポットばかりです。

誰も見てないし(^^;

元日の抱負で述べたように、日本のモダンメドウを追求したい私としては、やはり自生種にこだわりたい。このような山野草の組み合わせも積極的に考えていくつもりです。その上で、侵略的でない外来種も、日本の自然と雰囲気に合うものならば、ゲスト扱いで合わせてもいきたい。

山野草は今は土しか見えてないものばっかり。地味だ~(T_T) でもあとひと月もすれば芽吹くでしょう。
クリスマスローズも新品種ゾクゾク。これは和洋どちらの庭でも合いますね。お値段は結構しますが、毎春こんな素敵な花が見られるなら、ねー。

ほとんどの宿根草は3年程で成熟します。風通しをキープしつつ、ある程度密生させると、その期間に根っこ同士のコミュニティができて、ほかの雑草が生えないと言います。

以前読んだ「樹木たちの知られざる生活」の中にも書いてありましたが、山や森の木たちも根っこ同士のコミュニティがあるそう。地上部だけでなく、地下でもそれぞれが根で情報を伝えたり、時には養分を分け合ったりもしているのです。それが全く見えないし聞こえない鈍感な人間は、まさか~と思ってしまいますが、菌類やホルモン・香り成分などを使ってやり取りしてるそうです。微量でも感知できるのですから、すごい感覚ですよね。

森や山の木が手を貸さずともスクスク成長していくのは、住宅や道路に植えた木がそんな風に育たないのは、コミュニティがあるかないかの違いもあるのかも。私はそう思っています。

だから「出来るだけ植えないで」という要望がなければ、普通にたくさんの種類と株数を植えます。もちろんデザインということもありますが、コミュニティを作れるといいなとも思うから、色々な植物を混ぜてたくさん植えているのです。

人間でも一人ぼっちは生きにくい。動物も昆虫もそう。植物もきっと同じなんだね。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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