アジサイと夏火鉢

梅雨の間、目を楽しませてくれたアジサイ。今月は剪定をしましょうね。

アジサイは種類によって、剪定時期が異なります。山アジサイは6月中に(外の萼が反るのがサイン)、その他は7月中に、西洋アジサイは落葉後というのがひとつの目安です。必ず剪定するという決まりはありませんが、そうなると当然のことながら、年々大きく広がっていきます。その場に合わせた程よい大きさが、そのアジサイにとっては一番美しい姿になると思いますので、全体的なバランスの中で調整してくださいね。

一般的なアジサイをコンパクトに仕立てたい時、今年伸びた枝の一番下にある健康な葉の上で切ってください。極限まで小さくしたい方は、翌年の花は諦めることを前提に、一番下の節の上で切ってください。花は数年後には咲くと思います。このとき数本だけ切ると、他の枝に栄養が思いっきり回り樹形が乱れるので、思い切って全ての枝を切ることがコツです。

数年前から流行っている「秋色アジサイ」、いい感じで紅葉する品種を選び、そう名づけて売り出されたものです。でも基本的には普通のアジサイと同じなので、紅葉を楽しんだあと剪定すると、翌年の花は難しい。私も紅葉を楽しみつつ、なんとか翌年もたくさん花をつけてもらえたらと、色々やってみましたが、思ったように育ちません。今年はバッサリ剪定することにしました。

バッサリ切った花や葉っぱは、まだ十分鑑賞できますので、引き続き部屋で楽しみます。いま、家の中では火箸風鈴の音色が響いているので、それに合わせて火鉢を花器に見立てアジサイを盛りました。このまま秋までいてくれたら、寒さに当てて秋色にするんだけどな。

火鉢は宣徳火鉢といって、むかし実家で使っていたものです。これまでのブログにも何度か登場していて、常連の読者様にはおなじみですね。

この火鉢、実家から貰ってきたはいいけれど、実は火鉢としては全く使えていません。冬は、空気の浄化と消臭を兼ねて、炭を入れています。そして、夏火鉢というと、無用の長物に例えられるくらい。なんとなく暑苦しく感じるものです。それで、火鉢さんには不本意でしょうが、こうして花や緑を入れ、飾っています。

物にとっては、何の役にも立たず仕舞われて、そのまま忘れ去られることが、一番悲しいことなんじゃないかな。この火鉢も、ひょんなことからここに連れてこられ、挙げ句の果てに使われないじゃあ、きっと情けなく思うでしょう。出来るだけ使って愛でるようにしたいと思っています。

私が物心ついたときには、既に使い込まれていた火鉢です。いつの日か灰を入れて、ちゃんと火鉢として使ってあげたいな。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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