夏の庭支度あれこれ

日本の夏はどんどん熱帯化しているようで、庭づくりや庭仕事も難しくなってきました。暑さが本格化する前に、風通しよく、清潔に、そんな気持ちで庭をチェックしてみましょう。草ぼうぼうなところ、木の枝が密集しているところ、水たまりはありませんか?見た目をよくするだけでなく、台風の備えや病害虫予防にもなります。

水鉢があるお宅は、特に清潔を心掛けてください。毎日の水遣りの時に、水鉢の中をさっと洗い、水の入れ替えを習慣にしてくださると、ボウフラもわかず清涼感UP。印象を更に良くしてくれると思います。もし、小まめな掃除が出来そうになければ、蚊を増やすことになりますから、不格好ですが蓋をするなりして水を貯めない工夫をする、動かせるなら片付ける、などする他ありません。水鉢は夏の涼を生む仕掛け、情緒溢れる演出です。手をかけてみる価値は大アリですよ。

これは手水鉢。元々は茶席に入る前に手を清めるためのものですが、今は庭のフォーカルポイントとして置かれることが多いです。流れる水に触れたり、波紋を見たり、音、緑や影など、五感で涼を楽しめますね。それもこれも、この場が清潔だからこそ感じられるのです。

私もディスプレイガーデンを「風通しよく、清潔に」と見回っています。今朝は、ずっと放ったらかしだった苔玉が目につきました。夏は花よりも葉や枝物、要するに青いものを愛でていたい気分です。さっそく部屋に飾ってみました。

2年前に行ったワークショップで見本にと作った富貴草の苔玉です。茎がヒネてきて、益々面白い姿になってきました。

こんなに少ない土の中で、この富貴草は季節を何度も越えたのです。放ったらかしといっても、目の端っこで気にはかけていて、水遣りくらいはしていたけれど、それにしてもよく生きているものです。大地に根を張り逞しく育っているのではないからこその姿、ヒネて味のある姿になって、これはこれで魅力的。庭にあるときは雑草のようでしたが、こうして身綺麗にし、ちゃんと場を与えて器に盛れば、なかなか乙なものです。

窓からの風を受け、茎を揺らしているさまは、気のせいかな?ルンルンってはしゃいでいるような感じに見えます。

外で四季を潜ってきた苔も、作りたてとは一味違う。野性味が出るというか、慣れていているというか。

こんなふうに整えていけば、夏の扉を開く心構えもできますね。疲れない程度に、涼しい時に、ゆっくりとね。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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