菜種梅雨の候
ひさしぶりに晴れた今朝、庭先のモミジの梢にカワラヒワがやってきて、一節歌ってくれました。
透き通るその声で、青白い空気をしばし緩ませたかと思うと、気まぐれに飛び去っていきます。
察するに、もう雪は降らないだろうな。昔から農耕を始める目安とされていたのがちょうど今ごろ「雨水」です。
帽子とダウンを重ねて庭に出ると、モミジの枝先は赤く芽が膨らみ、湿った土からは少しづつ緑が湧き、ニオイスミレやクリスマスローズは花を咲かせています。
このスミレは名前にニオイがついているだけに、素晴らしく香ります。
何かの苗に偶然くっついて来た株が増えたものなので、品種はよく分からないのですが、花色からして恐らく「ロゼア」かなと思います。
一株抜き根洗いして部屋に置くと、馥郁たりて良きかな。
ニオイスミレ、水仙、梅や蝋梅、沈丁花など、春の初めに咲く花は、どれも姿は控めなのですが、香りは強い。甘ったるさはなく気品ある香りが特徴で、この香りを感じるとようやく春の訪れを実感します。天候が不安定な時期でも、少し気分が明るくなりますね。
菜種梅雨は、芽出し中の宿根草や水を上げ始めた木々にとっては、なくてはならない恵みの雨ではありますが、どうにも暗くていけません。
雨の朝、仕事に取り掛かろうと事務所部屋に入ると、照明をつけるほどでもないけれど、なんとなく暗いのです。
そんな時はキャンドルを灯してほんのり明るさをプラスすると、ちょうどいい感じになります。
ただ、居心地が良くなりすぎて?リラックスしてしまい、仕事が全く捗らないのが玉に瑕です。