先日はとある店舗のお庭へメンテナンスに伺いました。
このお庭は昨年春に造園して、自然な和の佇まいを生かした庭に生まれ変わったばかりです。
既存の高木や低木を配置替えし、季節ごとに咲く宿根草をたくさん追加しました。和菓子店なので自然な雰囲気の山野草が多めです。
お店の方々の日頃のお手入れのお陰で、どれも順調に成長し、特にグラス類は立派な株になりました。
植えて数年たった植物で、この銀狐のように大株になった場合は株分けが必要です。株分けとは文字通り株をいくつかに分ける作業のことを言い、目的は三つ。
一つは場に合わせるため株を小さくすること。
二つは植物を増やすこと。大きくなった株は何株にも分けられるので、それを別の場所に植え替え新たに育てることが出来ます。余った株は欲しい人にプレゼントすれば喜ばれます。
三つめの目的は株の更新です。株が大きくなりすぎると、密生して風通しが悪くなったり、花が咲きにくくなったりして姿が悪くなる場合があります。そんなとき株分けをすると再び生育がよくなるのです。
株分けの適期は春と秋。グラス類はじめ多くの宿根草はこれから休眠期にはいるので、根を触ってもダメージが少なく、株分けにちょうどよい時期です。
皆様もお庭でも大株になった植物があれば是非やってみてください。
メンテナンス作業は他にも色々。
徒長した茎や枝は来春の姿を想像しながら、思い切りよく剪定します。まだもう少し葉が残るギボウシなどの宿根草も、このタイミングで剪定してしまいます。
先程の銀狐はまだ十分きれいだったので、本当言うと切るのが惜しかったのですが、そうしょっちゅうメンテナンスに来れませんし、お客様に切って下さいというのも何だかなぁと思い、泣く泣く剪定しました。
この日の作業内容まとめ
- 全体のバランスを見ながら植物の配置やフォルムを整え直す。
- 宿根草の株分け、植替え。
- 除草
- 冬咲きの一年草を植える。
- 高木・低木の剪定。高木はまだ高さが足りないので忌み枝を切る程度。花芽が出来ているものには注意して。
- 施肥(寒肥)
- バーク堆肥でマルチング。防寒や雑草対策になりますし、美観目的も。
- 病害虫は見られませんでしたので、薬剤散布はなし。虫の蛹や卵を手で取る程度で済みました。
- 水遣り、清掃。
一つ一つの作業を丁寧に心を込めて行いました。
これらはどの庭でもいまやっておくと良いと思います。
この日は小春日和。動いていると汗ばむくらいでした。
皆様もこういった日を狙って、作業内容を参考に冬季メンテナンスを行ってみてはいかかでしょう。
その成果はきっと来春に感じていただけるはず!