青葉が茂る木陰、緑陰とも言いますが、その中に入るとひんやり気持良くて、ほっとしますよね。これって生き物として自然な行為なんですって。
植生や環境に関する優れた研究を多く発表されている方がおっしゃるには「人間が最も快適さを感じる植生は、落葉樹の疎林、そして草原」だそうです。太古、ヒトは狩られ捕食される方だったので、外敵から命を守るためには、見通しが効いて且つ身を隠すこともできる場所というのが一番な安心な訳です。芝広場にある木陰の下にいると、とっても癒される気がするのは、遺伝子にそういう情報が刻まれているからなのでしょう。
ですので、庭にも木陰があると更に落ち着きますし、家にも木陰的な部屋があるといいと思います。日当たりがいい造りにこだわっている方が多いでしょうが、良すぎるのも疲れるものですよ。以前日当たりが良すぎる家に暮らしてつくづくそう感じました。
夏は特に逃げ場がない。いくらいい断熱材が入っていようとも、日差しはカーテンを締めなければ防げません。女性としては紫外線も気になります。明るい家でも結局暗くして冷房いれてと、なんだかなぁと思ったものです。日本はその期間が長いものですから、日当たりにこだわらなくてもいいのかもと考えを改めました。寒さは何とでも凌げるけれど、暑さはどうしようもない。吉田兼好さんもおっしゃってます。
風通しのいいちゃんと陰のある部屋、更に見通しの効く明るい庭が見えれば最高ですね。安全な隠れ家、落ち着きは遺伝子レベルで保証されてるかと。
もうすぐ6月です。衣服を替えるように家も衣替えしたいですね。旧家の夏の室礼は、ふすまを簾に替え、畳にはあじろを引いて・・・等々かなり大掛かりなものです。蔵もない小屋のような我が家では、そんな風情もありませんけれど、涼しく暮らせるように、ちょっとした室礼をと思っています。