庭作りのお打合せで必ず話すこと

以前ブログで書いた案件が進み始めました。

先週末は、お客様のご要望+私なりのアドバイスと提案を盛り込んで作成したプランをお客様にプレゼンテーション。

どういうふうに作っていくか、その素材はどういうものか、素材のメリット・デメリット、何故このようなデザインにしているのか、などを見積書と照らし合わせながら、詳しくお話します。

ディアガーデンが庭や外構の計画をするとき、常に核にあるのは「用の美」です。

用に叶ったデザインはシンプルで飽きがこない究極の美です。植物という常に変化し続ける素材を合わせるので、土台は簡潔なものの方がいいと思うのです。

計画中のお庭。プレゼンテーション用に図面の他にこんな風な完成予想図(イメージパース)を作成します。これはその一部分でまだ未完成。最終的に着彩したものをご覧いただきます。

たたき台となるこのプラン。これからご予算に合わせて、新しい暮らしを想像していただきつつ、庭を維持していくために出来ること出来ないことも検討していただきつつ、これから更に詰めて参ります。

どのような庭でもお作り出来ますが、お客様自身で維持できなくては良くなりません。私達が完成しましたとお引渡ししてからが、お客様にとって始まりなのです。

庭は「作庭4分守り6分」といわれます。確かに土台となるプランやディティールのデザインは大切ですが、お引き渡し直後は植物が小さくまだまだ未完成。風格もありません。どう育てるかに庭の将来がかかっています。日々の手入れや掃除が行き届いている庭は本当に清々しいものです。

だから、維持管理にどれだけ労力がかかるか、費用が掛かるか、そういった現実問題も経験に基づきオブラートに包まず話します。

これは2017年公開の「マイ ビューティフルガーデン」のワンシーン。一ヶ月以内に庭を元どおりにできなければアパートを出てってと言われた主人公ベラは、隣人であり卓越した庭師でもある偏屈老人の助けを借りて荒れた庭を手入れします。庭づくりを通して特別な関係を築いた二人。自分の殻に閉じこもっていたベラが、自分の世界から一歩踏み出した時から始まる様々な出会いと奇跡。心温まる物語です。

お客様の想像以上に手間がかかる場合、それが仇となって?時には夢を壊すことにも。

申し訳ないと思いつつも、余計なご苦労をかけたくないので、ありのままをお伝えします。私がお客様の立ち場なら「こうなるって知ってたんなら初めに言って欲しかった」って思いますし、やるなら理解して始めるの方が良いはずです。

維持管理が難しくても「やってみたい気持ちが大きい」「手間や育てる工程を味わいたい」「その景色を見て暮らしたい」そんなお客様には、出来るだけ楽(楽しく容易)に出来るようブラッシュアップしたプランを考えます。

そして全力で実現します。

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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