炭の使い方 

雨水を過ぎて庭の雪もすっかり溶けました。やれやれ~。

玄関の坪庭を望む窓近くに、冬の室礼として火鉢を飾っています。

上の画像の火鉢は、実家で昔使っていたものを譲り受けたものです。さすがに火鉢としては使えないけれど、フォルムが気に入っているので、ときどき出してきて飾っています。

過去ログにもありますが、花を生けてみたり、観葉植物の鉢カバーとしてつかったり、読みかけの本を収納したりして使っています。今は冬なので、ちゃんと炭を入れて(画像では見えにくいですが入ってます)本来の役割に近い感じで飾ってみました。少し前は、坪庭が雪で覆われていたので、如何にも冬という風情がある眺めでした。(撮ればよかったね)

昔は暖をとるのに欠かせなかった炭ですが、今ではバーベキューの時くらいしか使いませんよね。空気を浄化するのに飾ることもあるかな。庭では、土壌改良に使うこともあります。多孔性なので、水や空気をよく通し、また適度に保持し、土を活性化させる働きがあると言われています。

混ぜてしまうとわかりにくいのですが、そうとわかる使い方といえば、苔の間に埋め込む場合かな。なかなかお洒落な感じもしますのでご紹介します。

足立美術館の庭園で撮ったものです。松の根元に注目!
苔の間に炭が埋められています。

これは、雨が降ると松の枝から雫が落ちて苔を痛めることがあるとのことで、それを防ぐためだそうです(美術館発行の本より)。こちらの炭は、全て庭師さんが焼いたものを用いていますとも書かれてありました。そんなこともされていたんですね!

また、一説によると、炭には苔の栄養分となるミネラル成分が含まれていて、汚染物質を浄化させる機能もあるとのこと。苔がのりやすくなるので、なかなか苔が育たない場所に埋めてみるのも手だと思います。

苔に埋める場合「菊炭」といって、切り口が菊の花のような模様になる炭を使われる場合があります。断面が美しい花模様となるよう条件を整えて製炭されていて、火つきがよく、燃えた後も形が崩れず真っ白な灰が残って美しいことから、茶道でもよく使われる高級品です。苔に菊の文様を見せるなんて粋ですよね~。まさに用の美。

実は、一番最初の画像で見えてる坪庭、なかなか苔がのらなくて悩んでいたので、試しに炭を埋めてみたいです。菊炭・・・がカッコイイけど、近場で手に入るかなぁ?

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この記事を書いた人

Dear Garden 代表
ガーデンデザイナー、一級造園施工管理技士

庭づくりを通して感じたことや、最新のガーデン事情、設計について、施工現場の様子、ガーデンデザイナーの暮らしや興味があること、などなど様々なコラムをお届けします。

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