施工現場やお客様のお宅へメンテナンスに行くとき、剪定鋏やスケール、ペン、手袋など、ちょっとした道具を持っていきます。
造園工事中の主な作業は職人さんにお任せしているので、私が道具を携帯する必要はないのですが、それでも最後の仕上げ時には一緒に作業します。下草を植えたり枝先を整えたりするので、鋏の他に移植ゴテが必要になります。
こういう道具類をひとつにまとめて持ち歩けるバッグ、ツールバックとか、シザーケースとかいうのものですけれど、自分に合うものはないかと、ずーっと探しています。
手を自由に動かしたいからウェストポーチのようなものがいい(エプロンは女性っぽくなるので避けたい)、いろんな道具をいっぱいガンガン突っ込めるもの、ハードな使い方をするため耐久性があるもの、汚れても手入れで綺麗になるもの、一日中下げてるから軽いもの、最後に私にとっては一番大事なことで着こなしのポイントになるようなカッコいいもの・・・などなど、注文の多いことったら!自分でも呆れます。
よく見かけるのは、剪定バサミ1,2本だけしか入らないものや、鋏じゃなくて工具関係を入れるガテン系バッグばっかりです。それか美容師さんが腰に下げてるシザーケースのちょっと大きいもの、ガーニングエプロン、どれも私の求めるツールバックではありません。仕方がないので、ある程度妥協して使っていたのですが、重みで片寄って身体からズレてきたり、すぐ破れたり、入らない道具をどこかに置いてきてしまったり、やっぱり全然使えないのです。
探すのに疲れて、ついには自分で作りました。それをもう3年以上使っています。工夫してポケットをたくさんつけましたが、マチがないため思った程入らない、素人の縫製なので道具の重みに耐えられない等、不満は色々あるものの、デザイン的には気に入ってたのよね。(ブログのプロフィール写真でも腰に下げています)
でもさすがにくたびれてきたなぁと思っていた時、とうとう理想に近いツールバックに出会いました。WORKS&LABOというブランドのポータブルツールバッグです。これは一応プロ仕様ということで、素材や使いやすさをトコトン追求され作られたものだそう。
比べてみると、自作のツールバックより小さく見えますが、マチが5cmある分容量が大きいし、出入れしやすいです。最高級タンニンなめしの栃木レザー&国内縫製で職人さんが一つづつ丁寧に仕上げておられるとかで、結構なお値段するけれど、経年変化と耐久性には期待できそうです。
一番気に入っている点は、鋏と移植ゴテが余裕で納まるところ。コンパクトなバックだと移植ゴテが入らないものが多いんですよ。あと、内部ホルダーがフレキシブルに付け替えられるところも便利。鋏もガッチリ固定できるので安心して突っ込めます。
唯一デザイン的にアクセントになっている前面のベルト、ここには手袋を挟めそうで、良く考えられているなぁと思います。目印にDearGardenの名札を吊り下げてもいいかもね。
カラバリは5色。定番のキャメル、チョコ、ブラックの他に珍しい赤やオリーブ色もあります。オリーブと迷ったけれど、お気に入りのイルセ・ヤコブセンのブーツがダークブラウンなので、合わせてチョコにしました。シンプルなユニセックスデザイン、素材の感じもいいのでどんな服にも合いそうです。
仕事のモチベーションが上がりそうなお気に入りがひとつ増えました。また現場に下げていきますので、細かく見たいなーと思われる方は是非お声掛けください。
さて、このツールバッグを置いているのは昨日のブログでも紹介しました「LIFETIME」という農園芸用品専門店。WORKS&LABOはこのお店のオリジナルブランドだそうです。ウェブショップもあるので、ポチってする方が簡単なんですが、やっぱり重さとか付けてみた感じとかがわからないから、小筆のお稽古帰りに寄ってみました。
駅に向かう帰り道、紫式部墓所の前を偶然通りました。京都って普通にこういうことがあるから面白いです。
最初はお墓だとは知らず、先にムラサキシキブの実が目についたのです。彼女と同じ名前の植物で、ちょうど今頃に紫の実を成らすので、わかりやすかったの。きれいだなぁと思い近づいて良く見ると、なんと紫式部墓所と書かれてあります。寺院の中ではなく、街中にひっそりとあったのが意外でした。
誰でも立ち入り可能なお墓でしたので、ご挨拶がてらお参りしてきました。今年は京都新聞で、京都弁訳版の源氏物語が連載中で、ずっと読んでいるところなんです。これまでも色々な方の訳で読んでいますけれど、自分の読む歳によって感じ方が随分と違うので、本当に飽きませんね。たぶん一生付かず離れず私の周りにある物語だと思います。
そんな思いを感謝と共に紫式部さんに伝えてまいりました。
北大路周辺までは足を延す機会がなかったので、LIFETIMEさんキッカケにまた散策してみようと思います。